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4つのプランの栄養基準と、実際にいくらかかるのか。継続割の解約条件と、向いていない人の条件まで、公式に出ている数字だけで並べました。

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はちみつダイエットは嘘?痩せる根拠と大さじ1杯69kcalを検証

はちみつダイエットは嘘?大さじ1杯69kcalを検証

「はちみつダイエットは嘘なのか」の答えを分けているのは、はちみつの品質でも、食べる時刻でもありません。今の食事に足しているのか、砂糖と入れ替えているのかです。

先に、いちばん大事なところを書きます。はちみつを食べた18の試験・のべ1,105人分をまとめて解析した2023年の報告では、体重に有意な差は出ていません(Ahmed, Nutrition Reviews 2023)。「はちみつを食べれば痩せる」という部分については、現時点で確認できていない、というのが研究の状況です。

そしてもうひとつ。ネット上で当たり前のように使われている「はちみつ大さじ1杯=62kcal」という数字は、すでに古い値です。文部科学省の日本食品標準成分表は2020年に八訂へ改訂され、はちみつのエネルギーは100gあたり294kcalから329kcalに変わりました。大さじ1杯(21g)に直すと約69kcalです。多くの解説記事が、いまだに七訂の数字で計算しています。

旧版記事の訂正について

この記事の旧版(2021年公開)には、「スクロースは人工甘味料であり発がん性や中毒性がある」という誤り、「はちみつを摂った後は歯磨きをしなくても大丈夫」という不適切な記載、精製はちみつと加熱はちみつの定義の混同、そして1歳未満の乳児にはちみつを与えてはいけないという注意の欠落がありました。2026年8月1日に、食品成分表・公的資料・ヒト試験に基づいて全面的に訂正しています。旧版をお読みになった方にお詫びいたします。訂正の一覧は記事末尾にまとめました。

この記事でわかること

  • はちみつを食べるだけで痩せるかどうかを調べた3つの研究の結論
  • 「大さじ1=62kcal」がなぜ古いのか、正しくは約69kcalである理由
  • 100gなら砂糖より約16%低いのに、大さじ1杯で比べると約2倍になるからくり
  • 「スプーン1杯どうしの交換」が置き換えにならないこと
  • 「夜はちみつ」の出どころと、直接調べたヒト試験が見当たらないこと
  • 1歳未満には加熱してあっても与えられない、という安全上の線引き

臨床検査技師として日々、血糖や中性脂肪の数値を見ている立場から、確認できることと確認できないことを分けて書きます。数字はすべて出典をつけました。

目次

結論:はちみつを食べるだけで痩せる根拠はありません

検索してよく出てくる言い方と、実際に研究で確かめられていることを並べます。

表1:よくある問いと、現時点で言えること
問い 現時点の答え
はちみつを食べるだけで痩せますか 確認されていません。18試験・1,105名のメタ解析で体重に有意差なし
砂糖より必ず太りにくいですか 断定できません。同じ量の炭水化物で比べた試験では、はちみつ・砂糖・異性化糖に差がありませんでした
砂糖から置き換える意味はありますか 一部の検査値の平均がわずかに低かったという報告はあります。ただし確実性は低い評価です
今の食事に足してもいいですか 大さじ1杯で約69kcalの上乗せになります
夜に食べると脂肪が燃えますか 直接調べたヒト試験は確認できませんでした。書籍由来の仮説です

つまり「はちみつダイエットは嘘か」への答えは、「痩せる方法としては裏づけがない。ただし、砂糖の置き場所を変える使い方まで否定されているわけではない」という形になります。ここから、ひとつずつ数字で見ていきます。

はちみつダイエットは本当に痩せるのか|体重を調べた3つの研究

「痩せるか」を体重という物差しで調べた研究は、大きく3つあります。信頼度の高い順に並べます。

図解1:はちみつと「体重」を調べた3つの研究 上にあるほど、結論を支える力が強い研究デザインです ① メタ解析(18試験をまとめた解析)/1,105名 空腹時血糖・LDL・中性脂肪の平均はわずかに低下。ただし 体重は有意差なし Ahmed, Nutrition Reviews 2023(エビデンスの確実性は低〜非常に低) ② クロスオーバーRCT/55名・各2週間 はちみつ・砂糖・異性化糖で差なし。 体重は不変・3種とも中性脂肪が上昇 Raatz, J Nutr 2015(1日50gの炭水化物を追加) ③ 小規模な単独試験/55名・最大30日 体重−1.3%・体脂肪−1.1%。ただし著者の結論は 「体重を増やさない」 Yaghoobi, Sci World J 2008(群の人数が不均等・短期・再現の確認なし)

18試験・1,105名をまとめた解析では、体重に差は出なかった

もっとも大きな根拠は、2023年に発表されたシステマティックレビューとメタ解析です。18試験・33の比較・のべ1,105名を統合しています。

この解析で報告された変化は次のとおりです。空腹時血糖が−0.20 mmol/L(95%信頼区間 −0.37〜−0.04)、LDLコレステロールが−0.16 mmol/L(−0.30〜−0.02)、中性脂肪が−0.13 mmol/L(−0.20〜−0.07)。いずれも統計的には有意でしたが、変化の幅は小さく、著者らはエビデンスの確実性を「低」〜「非常に低」と評価しています。HbA1c(過去1〜2か月の血糖の平均を反映する指標)は有意差なし。そして体重も有意差なしでした(Ahmed, Nutrition Reviews 2023)。

ここは慎重に読む必要があります。この解析は「はちみつを砂糖の代わりに使った試験」だけを集めたものではありません。33の比較のうち、置き換え条件だったのは12(約36%)で、残りは食事にはちみつを追加した試験などが混ざっています。「1,105人が砂糖から置き換えた結果」ではない、という点は押さえてください。

同じ炭水化物量で比べると、はちみつ・砂糖・異性化糖に差はなかった

次に、条件をそろえて直接比べた試験です。米国で行われたクロスオーバー試験では、55名(耐糖能が正常な28名、耐糖能異常のある27名)が、はちみつ・ショ糖(砂糖)・異性化糖(果糖55%の異性化液糖)から1日50gの炭水化物を、2週間ずつ順番に摂取しました。間に2〜4週間の休止期間を挟んでいます(Raatz, J Nutr 2015)。

結果は、血糖・インスリン・インスリン抵抗性の指標(HOMA-IR)・ブドウ糖負荷試験の反応のいずれにも、3つの甘味料の間で差はありませんでした。体重も治療によって変化していません。

ただし、この試験でもうひとつ重要なのは、差がなかったこと自体ではなく3種類すべてで中性脂肪が試験前より有意に上昇したことです(P=0.01)。耐糖能異常のある群では、炎症の指標であるhsCRP(高感度CRP)も3種類すべてで上昇しました。はちみつだけが例外的に安全だったわけではありません。

この研究には、記事の芯を支える事情がもうひとつあります。資金を出したのは全米ハチミツ委員会(National Honey Board)です。はちみつに有利な結果が出やすい立場の資金提供でありながら、「はちみつは砂糖より良い」という仮説は支持されませんでした。

「体重−1.3%」を報告した試験は、何を言っているのか

一方で、はちみつ群の体重が減ったという報告もあります。イランで行われた試験では、55名(対照17名・介入38名)が最大30日間はちみつを摂取し、体重−1.3%、体脂肪−1.1%、総コレステロール−3〜3.3%、LDL−4.3〜5.8%、中性脂肪−11〜19%、空腹時血糖−4.2%という変化が報告されました(Yaghoobi, Sci World J 2008)。

数字だけ見ると魅力的ですが、これを「はちみつで痩せる証拠」として扱うのは無理があります。参加者が55名と少なく、期間は最大30日と短く、対照群17名に対し介入群38名と人数が不均等です。多数の項目を同時に測っており、同じ結果が再現されたという報告も確認できません。そして著者ら自身の結論は「体重を減らす」ではなく「体重を増やさない(does not increase body weight)」でした。

表2:3つの研究の設計と、体重についての結論
研究 人数・期間 体重の結果 この記事で採用する読み方
Ahmed, Nutrition Reviews 2023
(18試験のメタ解析)
1,105名 有意差なし もっとも重い根拠。「痩せる」は支持されない
Raatz, J Nutr 2015
(クロスオーバーRCT)
55名・各2週間 変化なし 砂糖・異性化糖と同等。3種とも中性脂肪が上昇
Yaghoobi, Sci World J 2008
(単独試験)
55名・最大30日 −1.3% 小規模・短期・再現未確認。単独で結論にはできない

大さじ1杯は約69kcal|「62kcal」は七訂の古い数字です

ここからは、私がこの記事を書き直すきっかけになった部分です。

「はちみつ大さじ1杯は62kcal」という数字は、レシピサイトからダイエット系の記事まで、いたるところで見かけます。旧版のこの記事にも書いてありました。しかしこれは、2015年版(七訂)の日本食品標準成分表に基づく値です。

七訂294kcal → 八訂329kcal|変わったのは計算方法です

文部科学省の日本食品標準成分表は2020年に八訂へ改訂され、エネルギーの計算に使う成分と換算係数が見直されました。はちみつのエネルギーは、100gあたり294kcal(七訂)から329kcal(八訂・増補2023年)へ変わっています。

誤解のないように書いておくと、はちみつのカロリーが急に増えたわけではありません。八訂では、たんぱく質・脂質・利用可能炭水化物・食物繊維・有機酸などをそれぞれの換算係数で計算する方式に変わり、どの炭水化物の項目を使うかも食品ごとに異なります。はちみつでは、差引き法による利用可能炭水化物などを用いた現在の計算で329kcalになっています。同じ食品を、より実態に近い方法で数え直した結果です。

大さじ1杯に直すと、こうなります。

図解2:はちみつ大さじ1杯(21g)は何kcalか 七訂(2015年版)=古い値 100gあたり 294 kcal 294 × 0.21 = 約62 kcal 八訂 増補2023年=現在の値 100gあたり 329 kcal 329 × 0.21 = 約69 kcal 現在の値は、いま出回っている「62kcal」より約12%高い数字です 出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年/同 2015年版(七訂)

100gなら砂糖より約16%低い。でも大さじ1杯では約2倍になります

「はちみつは砂糖より低カロリー」という説明も、間違いではありません。100gで比べれば、はちみつ329kcalに対して上白糖391kcalですから、約16%低いのは事実です。

ところが、実際に台所で使うときは100gでは測りません。大さじで測ります。そしてここで逆転が起きます。標準の計量スプーンで大さじ1杯は、上白糖なら9g、はちみつなら21gです。はちみつは水あめのように重く、同じスプーンに2倍以上入ります。

表3:比べ方を変えると答えが逆になる
比べ方 はちみつ 上白糖 どちらが多いか
100gあたり 329 kcal 391 kcal はちみつが約16%少ない
大さじ1杯 21g=約69 kcal 9g=約35 kcal はちみつが約2倍多い

「はちみつは低カロリーだから安心」という言い方が危ないのは、この重さの違いを飛ばしてしまうからです。100gの比較と大さじの比較では、答えが反対になります。

ついでに糖の内訳も見ておきます。はちみつ100g中の糖は、果糖が約39.7g、ブドウ糖が約33.2gで、ブドウ糖よりも果糖のほうが多いのが特徴です(麦芽糖1.5g、ショ糖0.3g)。大さじ1杯なら果糖は約8.3gになります。果糖そのものの話、とくに清涼飲料に使われる果糖ぶどう糖液糖については別記事で扱っているので、そちらをご覧ください。健康診断で肝臓の数値を指摘された方は、脂肪肝と食べ物の関係をまとめた記事のほうが役に立つと思います。

はちみつで太る使い方|今の食事に足すと1か月で約2,070kcal

ここが「はちみつダイエット太った」で検索している方への答えです。

大さじ1杯を「足す」なら、30日で約2,070kcalの上乗せ

まず、はっきりさせておきます。はちみつを食べたら必ず太る、という意味ではありません。体重が動くかどうかは、1日全体でどれだけ食べたかで決まります。

そのうえで計算すると、いまの食事に大さじ1杯を追加した場合、1日あたり約69kcal、30日で約2,070kcalの上乗せになります。他の食事が変わらないままこれが続けば、減量には不利な方向に働きます。「甘いものを我慢しているのに減らない」という状態の裏に、この上乗せが隠れていることがあります。

逆に言えば、夜のアイスやチョコレートをやめて大さじ1杯のはちみつに替えたのであれば、それは上乗せではなく置き換えです。同じ「大さじ1杯のはちみつ」でも、前後で何をやめたかによって意味がまったく変わります。

スプーン1杯どうしの交換は、置き換えになっていません

ここでよくある取り違えがあります。「砂糖大さじ1をはちみつ大さじ1に替えた」という置き換えです。

表3で見たとおり、この交換は35kcal → 69kcalで、カロリーはむしろ増えています。スプーンの杯数をそろえても、置き換えたことにはなりません。置き換えるつもりなら、杯数ではなく重さかカロリーを見て量を決める必要があります。機械的に同じ杯数で交換しない、というのが実用上いちばん効く注意点です。

「GI値が低い」ことは「太らない」を意味しません

はちみつのGI値(血糖の上がりやすさの指標)は58で、中GIに分類されます。アカシアなど単一の花から採れたものでは30〜40台と低いものもあります。

ただし、GI値は「同じ量の炭水化物を摂ったときに血糖がどう動くか」を比べる指標であって、カロリーや体重の増減を示すものではありません。しかも実際に食べる量はそろっていません。GIが低めであることを「だから太らない」と読み替えるのは、指標の使い方として無理があります。

「夜はちみつ」に痩せる根拠はあるのか

寝る前に大さじ1杯のはちみつを舐める、という方法は「夜はちみつダイエット」として広く知られています。この出どころもはっきりしています。

出典は書籍で示された仮説です

もとになっているのは、英国の薬剤師マイク・マッキネス(Mike McInnes)の著書『The Hibernation Diet』『The Honey Diet』です。睡眠中に肝臓へグリコーゲンを供給することで脂肪の燃焼を促す、という仮説が示されました。

問題は、その先です。就寝前のはちみつ摂取によって体重や睡眠が改善するかを直接調べたヒト試験は、今回の調査では確認できませんでした。仮説として提示された段階のまま、方法だけが広まっている状態です。

「よく眠れた」という体験談は、効果の証拠にはなりません

SNSを見ると、寝る前のはちみつについて「よく眠れた」「寝起きがすっきりした」という投稿は確かに多くあります。むしろ「痩せた」という報告より目立つほどです。

ただし、こうした体験談から効果を結論することはできません。期待による効果(プラセボ効果)、同じ時期に変えた他の生活習慣、もともとの日ごとの変動を切り分けられないからです。この記事では、はちみつを睡眠のための方法としても、夜間の血糖低下を防ぐ方法としても、おすすめはしません。睡眠の悩みそのものについては睡眠と体重の関係をまとめた記事のほうが役に立つと思います。

とくに注意が必要なのは、血糖を下げる薬やインスリンを使っている方です。夜間の低血糖が心配な場合に、自己判断で就寝前のはちみつを習慣にするのは適切ではありません。必ず主治医に相談してください。

痩せなかった・太ったと感じやすい5つの使い方

SNS上の投稿を見ていくと、うまくいかなかったと書いている方の使い方には、いくつかの型があります。医学的な調査ではなく、あくまで観察された傾向として整理します。

表4:うまくいきにくい使い方と、その直し方
使い方 何が起きているか どう直すか
① 他の食事はそのままに、はちみつだけ足す 1日あたり約69kcalの純粋な上乗せ。30日で約2,070kcal 足すのではなく、やめるものを1つ決めてから入れる
② 大さじ1杯を超えて使う 甘みで満足しにくいときに量が伸びる。大さじ3杯なら約207kcal 瓶から直接ではなく、計量スプーンで測って皿に出す
③ 加糖はちみつを使っている 水あめなどが加えられた製品で、はちみつ以外の糖が入っている 原材料表示が「はちみつ」だけの製品を選ぶ
④ 数日でやめてしまう そもそも体重が動く仕組みがないので、短期の変化を見ても判断材料にならない 体重ではなく、1日の食事全体が減ったかどうかで判断する
⑤ はちみつだけでは足りず、結局夜食を食べる 置き換えのつもりが、上乗せ+夜食になっている 夕食の量が足りているかを先に見直す

「純粋・非加熱・国産なら痩せる」の根拠はありません

はちみつ選びの話になると、必ず「純粋はちみつ」「非加熱」「国産」というキーワードが出てきます。実際、SNSでもこの3つを基準に選んでいる方が多く見られます。

原材料表示を確認すること自体には意味があります。ただし、純粋・非加熱・国産であることが減量効果につながる、という根拠は確認できませんでした。これは品質の話であって、体重の話ではありません。旧版のこの記事には「加熱されたはちみつは栄養が壊れているので痩せることはなく逆に太ってしまう」と書かれていましたが、これは根拠のない断定でした。訂正します。

選ぶときに確認する表示

そのうえで、買うときに見るべきところを整理しておきます。

  • 原材料表示が「はちみつ」だけか。これが基本です
  • 加糖はちみつ=はちみつに水あめや糖類を加えたもの。表示を見れば分かります
  • 精製はちみつ=脱色・脱臭の処理をしたもの。「加熱してあるはちみつ」とは別の定義です。旧版ではこの2つを混同していました
  • 1歳未満の乳児に与えない旨の表示があるか(次章のとおり必須の表示です)

価格については、選ぶ基準としてあまり役に立ちません。高いから痩せる、ということはないからです。

なお、はちみつを腸のはたらきと関連づけて使いたい方には、納豆はちみつについてまとめた記事があります。同じ素材ですが、目的も注意点も違うので分けて書いています。

安全上の注意|1歳未満には加熱してあっても与えません

1歳未満の乳児には、はちみつを与えないでください

乳児ボツリヌス症を防ぐためです。はちみつに含まれることがあるボツリヌス菌の芽胞は、通常の加熱では死滅しません。はちみつそのものだけでなく、はちみつ入りの飲料・菓子・パンなども対象です。1歳以上であれば、乳児ボツリヌス症の高リスク食品とはされていません。

この注意は、旧版の記事には1行も書かれていませんでした。厚生労働省は2017年に事務連絡を出し、消費者庁も継続して注意を呼びかけています。はちみつを含む食品には「1歳未満の乳児には与えないでください」という表示が求められています。

もう1点。旧版には「はちみつを摂った後は歯磨きをしなくても大丈夫」と書かれていました。これは削除します。就寝前に糖質を口の中に残す行為をすすめるべきではありません。夜にはちみつを口にした場合も、そのあとに歯を磨いてください。

そして繰り返しになりますが、血糖を下げる薬やインスリンを使用している方、血糖の管理を受けている方は、就寝前のはちみつを自己判断で習慣にせず、主治医または管理栄養士に相談してください。

結局どう使うか|3つのルール

  1. 足さない。入れ替える。砂糖・ジャム・シロップ・夜のお菓子など、やめるものを先に1つ決めてから入れます
  2. 大さじ1杯(21g・約69kcal)までにして、必ず測る。杯数ではなくカロリーで置き換えを考えます
  3. 体重で判断しない。はちみつが体重を動かす根拠はありません。判断すべきなのは「1日の食事全体が減ったか」です

この3つを守れるなら、はちみつを使うこと自体に問題はありません。守れないなら、はちみつを足す前にやることが別にあります。カロリーの数え方そのものについては、カロリー制限だけでは痩せない理由をまとめた記事もあわせてお読みください。私自身が82.05kgから72.4kgまで落としたときの実データも公開していますが、そこにはちみつは出てきません。

よくある質問

Q. はちみつダイエットは本当に痩せますか?
A. 体重が減ることを一貫して示した根拠はありません。18試験・1,105名を統合したメタ解析では、体重に有意な差は出ていません(Ahmed, Nutrition Reviews 2023)。血糖や脂質の平均値がわずかに低下したという報告はありますが、確実性は低い評価です。

Q. はちみつ大さじ1杯は62kcalと69kcalのどちらが正しいですか?
A. 現在の値は約69kcalです。日本食品標準成分表が七訂から八訂へ改訂され、はちみつのエネルギーは100gあたり294kcalから329kcalに変わりました。62kcalは七訂の値をもとにした計算で、いまも多くの記事で使われていますが、現在の値より約11%低い数字です。

Q. 寝る前にはちみつを食べると太りますか?
A. 時刻だけで決まるわけではありません。ただし、今の食事に大さじ1杯を追加すれば約69kcalの上乗せになります。他の食事が減っていなければ、減量には不利に働きます。

Q. 砂糖をはちみつに変えれば痩せますか?
A. 痩せることは確認されていません。加えて注意が必要なのは、大さじ1杯どうしの交換ではカロリーが約35kcalから約69kcalへ増えてしまう点です。置き換えるなら杯数ではなく重さかカロリーで量を決めてください。

Q. 夜はちみつで睡眠の質はよくなりますか?
A. 直接調べたヒト試験は確認できませんでした。SNSには「よく眠れた」という体験談が多くありますが、期待による効果や他の生活習慣の変化と区別できないため、効果の証拠にはなりません。この記事では睡眠のための方法としてはおすすめしていません。

Q. 赤ちゃんには加熱したはちみつなら与えても大丈夫ですか?
A. いいえ。1歳未満には加熱したものも与えられません。ボツリヌス菌の芽胞は通常の加熱では死滅しないためです。はちみつ入りの飲料・菓子・パンなども同様に避けてください。1歳以上であれば、乳児ボツリヌス症の高リスク食品とはされていません。

旧版からの訂正内容

2021年に公開した旧版には、次の誤りがありました。今回すべて訂正しています。

表5:旧版の記載と訂正内容
旧版の記載 訂正内容
スクロースは人工甘味料であり発がん性や中毒性がある 誤りです。スクロースはショ糖のことで、砂糖の主成分そのものです。人工甘味料ではありません
はちみつ大さじ1杯は62kcal 七訂の値です。八訂(増補2023年)では約69kcalです
はちみつを摂った後は歯磨きをしなくても大丈夫 削除しました。就寝前に糖質を口の中に残すことはすすめられません
精製はちみつは加熱処理をされているため効果がない 精製はちみつは脱色・脱臭の処理をしたもので、加熱はちみつとは定義が異なります
加熱されたはちみつは痩せることはなく逆に太る 根拠が確認できないため削除しました
糖質制限を同時に行なわなければ効果は見込めない 根拠が確認できないため削除しました
(記載なし) 1歳未満の乳児に与えてはいけない旨を追加しました

参考文献

  1. 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」砂糖及び甘味類/はちみつ. 食品成分データベース
  2. 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」. 文部科学省
  3. 文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」. 文部科学省
  4. Ahmed A, Tul-Noor Z, Lee D, et al. Effect of honey on cardiometabolic risk factors: a systematic review and meta-analysis. Nutr Rev. 2023;81(7):758-774.(18試験・33比較・1,105名) Nutrition Reviews
  5. Raatz SK, Johnson LK, Picklo MJ. Consumption of honey, sucrose, and high-fructose corn syrup produces similar metabolic effects in glucose-tolerant and -intolerant individuals. J Nutr. 2015;145(10):2265-2272.(クロスオーバーRCT・n=55) PubMed
  6. Yaghoobi N, Al-Waili N, Ghayour-Mobarhan M, et al. Natural honey and cardiovascular risk factors; effects on blood glucose, cholesterol, triacylglycerole, CRP, and body weight compared with sucrose. ScientificWorldJournal. 2008;8:463-469.(n=55・最大30日) PMC
  7. 厚生労働省 医薬・生活衛生局「乳児ボツリヌス症の予防対策について」事務連絡(平成29年4月7日). 厚生労働省
  8. 消費者庁「ハチミツによる乳児のボツリヌス症」. 消費者庁

この記事を書いた人

臨床ブロガー 臨床検査技師/18年・88kg→65kg

検査値を通して人の体を見てきました。論文を確認し、自分の実測とは分けて書いています。医師・管理栄養士ではなく、診断・治療・服薬の判断は行いません。

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この記事を書いた人

臨床検査技師。専門は生化学検査。健診センターのデータ業務、治験コーディネーター(CRC)、総合病院、公立病院の経営推進課を経て、現在はWEBマーケティングが本業。自身が20回のダイエット失敗のあと88kgから65kgへ。論文を読んで気になったものを自分の体で試し、体重・腹囲・血液検査・体組成という数値で確かめた記録を書いています。効くものは効くと、効かないものは効かないと書きます。広告主から記事内容の指定を受けることはありません。

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