ダイエット成功の中身を全部出す|82.05kg→72.4kgの実データを臨床検査技師が論文で解剖する

82.05kgあった体重が、72.4kgになりました。運動はしていません。やったのは、食事の回数を減らすことだけです。

ただし、この記事でいちばん伝えたいのはそこではありません。最初の2週間で落ちた分は、脂肪ではないということです。ここを勘違いすると、次の1か月で必ず心が折れます。

もうひとつ。ダイエットの体験談は「痩せた瞬間」で終わるものがほとんどです。この記事は5年後まで書きます。先に結論を言うと、いまは66〜68kgです。当時グラフに引いていた目標ライン67.0kgの上を、行ったり来たりしています。

私は臨床検査技師です。数字を疑うのが仕事なので、自分の体重グラフも同じように疑いながら書きます。なお、これは私ひとりの記録です。同じことをすれば誰でも同じ結果になるという話ではありません。診断や治療の指示でもなく、公開されている論文とガイドラインを私が読んで解釈したものです。

目次

結論|82.05kg → 72.4kg、運動ゼロ、8週間

まず実物を見てください。体組成計アプリに残っていた記録です。

82.05kgから72.4kgへ落ちた体重推移グラフ(2020年11月2日から2021年2月8日の週平均)
週平均の推移(2020年11月2日〜2021年2月8日)。MAXが2020年12月14日の週で82.05kg、MINが2021年2月1〜7日の週。点線は当時の目標67.0kg
同じ期間の体重推移グラフ(体組成計アプリの記録)
同じ期間の記録。11月から12月中旬までは動かず、そこから急に落ちているのがわかります

数字にすると、こうなります。

項目実測値
計測期間2020年11月2日〜2021年2月8日(14週)
最大(記録上)2020年12月14日の週 82.05kg
これまでの最高体重88kg(この記録より前・グラフには残っていない)
最小2021年2月1〜7日の週 約72.4kg
減量幅約9.65kg(−11.8%)
実際に落ちた期間12月14日の週〜2月8日=約8週間
身長・BMI176cm/BMI 26.5 → 23.4
目標67.0kg(このときは未達/5年後の現在は66〜68kg)
運動していない
82.05kgは「平均」ではなく最高値をつけた週の数字です。以前この記事に「82.05kg平均あった」と書いていましたが、グラフを読み直したところ誤りだったので訂正しました。BMIはアプリ表示が26.7、身長176cmで計算し直すと26.5です

注目してほしいのは、落ちたのが12月中旬から2月にかけてだという点です。世の中がいちばん増える時期に落ちています。年末年始に何かを我慢したというより、単純に食べる回数が減っただけでした。

ひとつ補足しておくと、私がいちばん重かったのは88kgです。この記録より前の話で、そのころは体組成計を持っていなかったのでグラフには残っていません。82.05kgは、あくまで記録が残っている中での最高値です。

何をしたのか|食事の回数を減らしただけ

1日2食にして、ときどき1食にした

やったことはこれだけです。ジムにも行っていませんし、走ってもいません。特別なサプリも使っていません。

基本は1日2食。日によっては1食にしていました。回数を減らすと決めただけで、「何グラムまで」「何キロカロリーまで」という管理はしていません。

何を食べていたか

2食だったころは玄米をたくさん食べていました。外食は、そば・寿司・うなぎといった和食が中心です。パスタやパンは、いまはもうまったく食べません。

糖質を抜いたわけではない、というのはここで強調しておきます。玄米は食べています。抜いたのは「回数」であって「主食」ではありません。玄米そのものについては玄米ダイエットの効果を実際に試した記録に書いています。

落ちた理由は「食べる時間帯」ではない

1日2食というと、16時間断食やオートファジーの話と結びつけられがちです。ですが、時間を制限すること自体の効果は、思っているより小さいことが分かっています。

過体重・肥満の116人を12週間追ったランダム化比較試験(TREAT試験)では、食べる時間を8時間に制限した群の減量は−0.94kg、普通に3食食べた群は−0.68kgで、両群の差は−0.26kg(P=.63)と、統計的な差はありませんでした(Lowe, JAMA Intern Med 2020)。

つまり「16時間空ける」だけなら、12週間で1kg弱です。私が8週間で落とした9.65kgは、時間帯の効果ではありません。

では何が起きたのか|1日あたり約850kcalの赤字(試算)

算数をしてみます。仮定を置いた概算なので、そのつもりで読んでください。

  • 体脂肪1kgを落とすのに必要なエネルギーは、およそ7,200kcal
  • 実際に落ちた期間は約8週間=56日
  • 後述するとおり、最初の急降下は脂肪ではありません。仮に3kgを水分とすると、脂肪の減少は約6.65kg
  • 6.65kg × 7,200kcal = 約47,900kcal。これを56日で割ると1日あたり約850kcal

3食のうち1食を丸ごとやめれば、普通に届いてしまう幅です。魔法でも体質でもなく、ただの引き算でした。カロリー計算だけで痩せないのはなぜかという話と矛盾するようですが、順序が逆です。カロリーを数えなくても、回数を削れば総量は勝手に減ります。私は数えずに減らしました。

20回の失敗は、全部「運動で解決しよう」としていた

私はそれまでに20回以上、ダイエットに失敗しています。糖質制限、朝バナナ、2分間腹筋。方法を変えては続かず、また別の方法を探していました。

共通していたのは、食べる量ではなく運動でどうにかしようとしていたことです。これは分が悪い勝負でした。

12か月以上追跡した8試験・1,022人をまとめたメタ解析では、運動だけの介入は、食事と運動を組み合わせた介入より3〜6か月で5.33kg、12〜18か月で6.29kg減量が少ないという結果でした(Johns, J Acad Nutr Diet 2014)。一方、食事だけの介入と組み合わせ介入は3〜6か月では差がありません。

短期で体重を動かすのは、運動ではなく食事です。20回ぶんの遠回りは、ここを取り違えていたからでした。

ただし「運動は要らない」とは書きません

同じメタ解析では、12か月の時点になると、食事だけより食事+運動のほうが1.72kg多く減っています。短期は食事、長期は食事+運動。私がやったのは短期側だけで、長期に必要なものは省いていました。

体重が減るまでの道すじ(と、外れる道)食事の回数を減らす1日の総摂取エネルギーが減る収支が赤字になる体重が減る1食あたりの量が増える(回数は減ったのに総量は同じ)体重は減らない「1日2食にした」だけでは足りません。減るのは回数ではなく、回数を減らした結果の総量です。時間を制限しただけの試験では12週間で−0.94kg、3食群との差はありませんでした(Lowe, JAMA Intern Med 2020)。
図1:回数を減らしても、1食あたりが膨らめば総量は減りません

最初の2週間で落ちた分は、脂肪ではない

グラフの形を見てほしい

もう一度グラフに戻ります。12月14日の週を頂点に、そこから2週間ほどで一気に落ち、1月に入ってからはほとんど横ばいです。同じ食事を続けているのに、落ち方だけが変わっています。

この形は、私の努力の推移ではありません。体の中で減っているものが、途中で入れ替わっているだけです。

グリコーゲンは、水を3〜4部連れている

体は糖をグリコーゲンという形で肝臓と筋肉に貯めています。このグリコーゲンは乾いた状態では存在せず、水を3〜4部ともなった形で貯蔵されます(Kreitzman, Am J Clin Nutr 1992)。同じ論文では、グリコーゲン1gあたり0.45mmolのカリウムが一緒に動くことも報告されています。

食べる量が急に減ると、体はまずこのグリコーゲンを使います。すると、くっついていた水も一緒に出ていきます。グリコーゲンが500g減れば、水は1.5〜2kg減る計算です。体重計はこれを全部「体重の減少」として表示します。

この論文のタイトルが、そのまま結論になっています。「グリコーゲン貯蔵:簡単に痩せたという錯覚、過剰な体重の戻り、体組成推定のゆがみ」です。

だから1週間で3kgは誰でも落ちるし、同じ速さで戻る

「1週間で3kg落ちました」という報告は、たいていこれです。嘘ではありませんが、脂肪が3kg消えたわけでもありません。そして炭水化物を普通に戻せば、同じ速さで戻ります。

逆に言えば、最初の2週間の数字で自分を評価してはいけないということです。ここで「すごい勢いで落ちている」と喜んだ人は、3週目に横ばいになった瞬間に「停滞期だ」「この方法は効かない」と判断して離脱します。私が20回失敗したうちの何回かは、確実にこれでした。

糖質を減らした直後に起きるだるさや頭痛も、同じ時期に集中します。詳しくは糖質制限の初期症状はなぜ起きるのかにまとめています。

検査技師の見方|この時期に動くのは体重より尿量とむくみ

水が抜けている時期は、体重よりも先に尿量・むくみ・便通が変わります。朝と夜で1kg以上ぶれるのも普通です。

体重を記録するなら、毎日同じ条件(起床直後・排尿後・同じ服装)で測り、日ごとの数字ではなく週平均で見ること。私のグラフが週平均なのは、日ごとの数字が使いものにならないからです。

同じ食事でも、減っているものは途中で入れ替わる82.05kg72.4kg最初の約2週間グリコーゲンと、それに伴う水分1か月目以降ここからが脂肪。落ち方はゆるやかになり、横ばいに見えるが減ってはいる体重
図2:模式図です。急降下期に減っているのは主に水分とグリコーゲン(Kreitzman, Am J Clin Nutr 1992)

正直に言うと、このペースは速すぎた

目標は「3〜6か月で3%」でよかった

日本肥満学会の『肥満症診療ガイドライン2022』では、肥満症の減量目標として3〜6か月で現体重の3%以上(高度肥満症では5〜10%)が示されています。健康障害を減らすという目的なら、それで足ります。

82kgの3%は、約2.5kgです。私は8週間で9.65kg、率にして11.8%落としました。目的が「健康指標を動かすこと」なら、ここまでやる必要はまったくありませんでした。

筋肉が落ちたかどうかは、分からない

ここは正直に書きます。当時の体脂肪率と筋肉量のデータは残っていません。アプリの体重グラフしか手元にないので、「筋肉は落ちませんでした」とは言えません。

ただ、論文から推測はできます。先ほどのTREAT試験では、時間制限群で四肢除脂肪量指数が有意に低下していました(群間差 −0.16kg/m²・P=.005)(Lowe, JAMA Intern Med 2020)。食事制限だけで速く落とせば、脂肪だけがきれいに減るということはありません。

私の場合も、除脂肪量はそれなりに減っていたと考えるのが妥当です。

顔に出た|1食にしたら、頬がこけて老けた

体重計に出なかった代償は、鏡に出ました。1食にしていた時期、頬がこけて、明らかに老けました。体重は落ちているのに、周囲から健康的に見えなくなるという状態です。

これは私に起きたことなので、原因を1つに決めつけることはできません。ただ、落とす速さと、そのときの食事の中身の薄さが関係していたのは間違いないと思っています。

体重より先に動く数値がある

検査技師として言うと、減量の効果は体重だけを見ていても分かりません。中性脂肪、ALT、血圧、腹囲。このあたりは体重より先に動きます。健康診断が年1回あるなら、それが唯一の答え合わせです。

項目基準・論文が言っていること私の実データ技師としての見方
減量ペース3〜6か月で3%以上(肥満症診療ガイドライン2022)8週間で11.8%速すぎた。健康指標が目的ならここまで不要
体重・BMI82.05kg → 72.4kg/BMI 26.5 → 23.4最初の2週間ぶんは水分。数字を割り引いて読む
除脂肪量時間制限食で有意に低下(Lowe, JAMA Intern Med 2020)データなし測っていないので「落ちなかった」とは言えない
血液・血圧1日1食で血圧と総/LDL/HDLコレステロールが有意上昇(Stote, Am J Clin Nutr 2007)データなし中性脂肪・ALT・血圧は体重より先に動く。健診で追う
測り方週平均起床直後・排尿後・同じ服装で。日ごとの数字は見ない
表2:私のデータと、基準の突き合わせ

肝臓の数値が気になる人は、脂肪肝にいい食べ物ランキングもあわせて読んでください。体重より先に動くのは、だいたいこちらです。

1日1食について|いまも1食ですが、人には勧めません

体重維持カロリーで1食にしても、体重は動かない

健康な標準体重の中年成人15人を対象に、8週間ずつのクロスオーバーで「1日1食」と「1日3食」を比べた試験があります。摂取カロリーを体重維持に必要な量にそろえた場合、体重は6か月を通じて2kg以内で変わりませんでした(Stote, Am J Clin Nutr 2007)。体脂肪は1食のときに減りましたが、体重そのものは動いていません。

回数を減らすこと自体が痩せる原因ではない、という証拠です。私が痩せたのは、回数を減らした結果として総量が減ったからでした。

そして同じ試験では、1日1食の条件で血圧と、総コレステロール・LDLコレステロール・HDLコレステロールが有意に上昇し、空腹感も有意に増えています。いいことばかりではありません。

当時の1食と、いまの1食は別物です

正直に書くと、私はいまも1日1食です。ただし当時とは中身がまったく違います。

いまは栄養バランスをかなり見直して、玄米と味噌汁と漬物が中心です。自分でも笑ってしまうくらい、まるで修行僧の食事になりました。パンとパスタは食べません。

頬がこけたのは、回数を減らしたからというより、減らした1食の中身が薄かったからだと考えています。回数を先に決めて、中身を後回しにすると、そこにしわ寄せがきます。玄米を主食に据えている理由は7号食とは何かという記事のほうが詳しいです。

それでも人には勧めません

理由は3つです。

  • 血圧とコレステロールが上がる可能性が示されている(Stote, Am J Clin Nutr 2007)
  • 1食で必要な栄養素を満たすのは難しく、中身の設計を間違えると私のように顔に出る
  • 仕事の負荷が高い人、成長期、妊娠授乳期、持病のある人には向かない

私が続けているのは、自分の健診データを毎年見られる立場だからです。同じことを勧める気はありません。減らすなら、まず1日3食から2食です。

20回失敗して、何を間違えていたのか

糖質制限、朝バナナ、2分間腹筋。どれも「その方法が悪かった」わけではありません。間違えていたのは、方法の選び方ではなく前提でした。

朝ごはんは食べたほうがいい。甘いものは疲れた頭にいい。肉はパワーが出る。こういう常識を疑わないまま、その上に方法だけを積んでいました。その常識をどこで聞いたのかと自分に問うと、たいていはテレビか、誰かの受け売りです。

面白い研究があります。ホテルの客室清掃員84人を2群に分け、片方にだけ「あなたの仕事は運動として十分な量です」と説明したところ、実際の行動は変わっていないのに、説明を受けた群だけ4週間後に体重・血圧・体脂肪・ウエストヒップ比・BMIが低下しました(Crum & Langer, Psychological Science 2007)。

抄録には減少幅の数値が載っていないので、どれくらい下がったのかまでは書けません。プラシーボ効果の一種と考えられ、これで痩せられるという話でもありません。ただ、何を信じているかが数字に影響しうるというのは、20回失敗した人間としては無視できない結果でした。

太りやすい体質だと思い込んでいる人に読んでほしいのは太りやすい人が痩せるにはどうすればいいかのほうです。

5年後の今|ダイエットをやめて、アンチエイジングに切り替えた

いまは66〜68kg。目標だった67.0kgの上にいる

グラフを撮ったのは2021年2月です。この記事を書いているのは2026年、5年後になります。

結論から言うと、これまでの最低が66kg、いまは68kgくらいをキープしています。2021年のグラフに点線で引いてあった目標67.0kg。あのときは届かずに終わったラインの、すぐ上と下を行き来している状態です。

いちばん重かった88kgからは20kg、記録が残っている82.05kgからは14kgの差になります。ただし一気に落ちたわけではありません。この5年でいちばん長くいたのは72kg前後で、そこからゆっくり下がって今の位置に落ち着きました。2021年の8週間より、そのあとの5年のほうがずっと緩やかです。

維持できた理由は、目的が変わったこと

この5年、私はダイエットをしていません。気にしていたのはアンチエイジングのほうです。体重を落とすことではなく、老けないこと。頬がこけて老けた経験があるので、そこは切実でした。

結果として食事の中身が変わり、体重はついてきました。玄米・味噌汁・漬物。外食はそば、寿司、うなぎ。パンとパスタは食べない。体重計に乗る回数は、あのころよりずっと減っています。

体重を目的にしていた期間より、体重を目的にしなくなってからのほうが長く続いている。これが5年ぶんの答えです。

戻るのは、意志が弱いからではない

ここは強調しておきたいところです。リバウンドは根性の問題ではありません。

過体重・肥満の50人が10週間で平均13.5kg減量し、その後1年追跡した研究では、減量から1年たっても、食欲を高めるグレリンは高いまま、食欲を抑えるレプチンは低いまま、空腹感も高いままでした(いずれもP<0.001)(Sumithran, N Engl J Med 2011)。体は減った体重を戻そうとし続けます。

落とす速さと、戻りやすさは関係なかった

「速く落とすとリバウンドする」とよく言われます。これは調べられていて、結果は違いました。

200人を12週間の急速減量と36週間の緩やかな減量に割り付けた試験では、12.5%の減量を達成したのは急速群81%・緩徐群50%。そして144週後に戻った割合は急速群70.5%・緩徐群71.2%で、速度による差はありませんでした(Purcell, Lancet Diabetes Endocrinol 2014)。

速さは問題ではない。ただし、どちらの群も7割戻っているというほうが重要です。落とすことより、そのあとのほうが難しいという数字です。

極端にやると、代謝が戻らないことがある

減量の代償として、よく引き合いに出される研究があります。アメリカの減量番組の出場者14人を6年後に追跡したところ、平均41.0kgが戻り、安静時代謝量は6年たってもベースラインより704kcal/日低いままでした(Fothergill, Obesity 2016)。

これはテレビ番組という極端な例で、私のような減り方にそのまま当てはまるものではありません。それでも、速く大きく落とすことには代償がありうるという話として、頭の隅に置いておく価値はあります。

これから始める人へ|私の結論

  • 体重を短期で動かすのは運動ではなく食事。ただし長期の維持には運動を足したほうがいい(Johns, J Acad Nutr Diet 2014)
  • 最初の2週間の数字で、自分も方法も評価しない。そこで減っているのは主に水分です
  • まずは3〜6か月で3%。82kgなら2.5kg。それで健康指標は動きます(肥満症診療ガイドライン2022)
  • 回数を減らすなら、先に中身を決める。私は逆をやって顔に出ました
  • 体重計より、健診の数字を見る。中性脂肪・ALT・血圧・腹囲のほうが早く動きます

もう一度あの2か月をやり直せるなら、私は3%から始めて、運動を足します。9.65kgは要りませんでした。

よくある質問

Q. 1日2食と3食では、どちらが痩せますか。
A. 回数そのものではなく、1日の総量で決まります。摂取カロリーをそろえた試験では、1食でも3食でも体重は変わりませんでした(Stote, Am J Clin Nutr 2007)。2食にして総量が減るなら減りますし、1食が膨らめば減りません。

Q. 何時に食べるのが正解ですか。
A. 時間帯そのものの効果は小さいと考えたほうがいいです。8時間以内に食べる群と3食の群を12週間比べた試験では、減量の差は−0.26kg(P=.63)でした(Lowe, JAMA Intern Med 2020)。

Q. 運動はしなくていいのですか。
A. 短期で体重を落とす目的なら、優先度は食事です。ただし12か月の時点では食事に運動を足した群のほうが1.72kg多く減っており、長期の維持を考えるなら足したほうがいいというのが私の結論です(Johns, J Acad Nutr Diet 2014)。

Q. 2か月で10kgは速すぎませんか。
A. 速すぎます。ガイドラインの目安は3〜6か月で3%以上で、82kgなら2.5kgです。私の11.8%は必要な幅を超えていました。真似を勧める書き方はしていません。

Q. 筋肉は落ちませんでしたか。
A. 分かりません。当時の体脂肪率と筋肉量のデータが残っていないからです。ただし時間制限食の試験では四肢除脂肪量指数が有意に低下しており(−0.16kg/m²・P=.005)、私も減っていた可能性が高いと考えています。

Q. 痩せる薬はどうですか。
A. この記事の範囲外です。医師の管理下で使うものであり、体験談として語れる立場にありません。使うかどうかは必ず医療機関で相談してください。

まとめ

20回失敗したあと、私は運動をやめて食事の回数を減らしました。82.05kgは8週間で72.4kgになり、5年たったいまは66〜68kg。いちばん重かった88kgからは20kg減ったところにいます。

ただし、最初の2週間で落ちた分は脂肪ではありませんでした。そしてペースは速すぎ、頬はこけ、筋肉が落ちたかどうかは測っていないので分かりません。うまくいった記録であると同時に、やり方を間違えた記録でもあります。

それでも維持できているのは、途中でダイエットをやめたからだと思っています。体重ではなく老けないことを目的にしたら、食事の中身が変わり、体重はあとからついてきました。

繰り返しになりますが、これは私ひとりの記録です。同じ結果を保証するものではなく、診断や治療の指示でもありません。持病のある方、薬を飲んでいる方は、食事を大きく変える前に主治医に相談してください。

参考文献

  1. Kreitzman SN, Coxon AY, Szaz KF. Glycogen storage: illusions of easy weight loss, excessive weight regain, and distortions in estimates of body composition. Am J Clin Nutr. 1992;56(1 Suppl):292S-293S.
  2. Lowe DA, Wu N, Rohdin-Bibby L, et al. Effects of Time-Restricted Eating on Weight Loss and Other Metabolic Parameters in Women and Men With Overweight and Obesity: The TREAT Randomized Clinical Trial. JAMA Intern Med. 2020;180(11):1491-1499.
  3. Stote KS, Baer DJ, Spears K, et al. A controlled trial of reduced meal frequency without caloric restriction in healthy, normal-weight, middle-aged adults. Am J Clin Nutr. 2007;85(4):981-988.
  4. Johns DJ, Hartmann-Boyce J, Jebb SA, Aveyard P. Diet or exercise interventions vs combined behavioral weight management programs: a systematic review and meta-analysis of direct comparisons. J Acad Nutr Diet. 2014;114(10):1557-1568.
  5. Sumithran P, Prendergast LA, Delbridge E, et al. Long-term persistence of hormonal adaptations to weight loss. N Engl J Med. 2011;365(17):1597-1604.
  6. Purcell K, Sumithran P, Prendergast LA, et al. The effect of rate of weight loss on long-term weight management: a randomised controlled trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2014;2(12):954-962.
  7. Fothergill E, Guo J, Howard L, et al. Persistent metabolic adaptation 6 years after “The Biggest Loser” competition. Obesity (Silver Spring). 2016;24(8):1612-1619.
  8. Crum AJ, Langer EJ. Mind-set matters: exercise and the placebo effect. Psychol Sci. 2007;18(2):165-171.
  9. 日本肥満学会. 肥満症診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版, 2022.
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この記事を書いた人

臨床検査技師。専門は生化学検査。健診センターのデータ業務、治験コーディネーター(CRC)、総合病院、公立病院の経営推進課を経て、現在はWEBマーケティングが本業。自身が20回のダイエット失敗のあと88kgから65kgへ。論文を読んで気になったものを自分の体で試し、体重・腹囲・血液検査・体組成という数値で確かめた記録を書いています。効くものは効くと、効かないものは効かないと書きます。広告主から記事内容の指定を受けることはありません。

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