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マッスルデリの実データまとめ

4つのプランの栄養基準と、実際にいくらかかるのか。継続割の解約条件と、向いていない人の条件まで、公式に出ている数字だけで並べました。

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内臓脂肪を落とす方法|食事・運動・飲酒・睡眠を検査値で仕分ける

内臓脂肪だけを先に落とす方法はありますか?

ありません。89研究を集めたメタ解析で、内臓脂肪を優先的に減らせる介入は一つも見つかっていません(Merlotti, Int J Obes 2017)。選べるのは部位ではなく順番のほうです。

私は臨床検査技師として、数字がどんな条件で出たものかを確かめる仕事をしてきました。この記事では「内臓脂肪を落とす」を、測る → 目標を決める → 効果量の大きい順に手を打つ → 検査値で確かめるの4段に分けます。食べ物のランキングは置きません。効果量の順に並べると、食べ物より先に来るものがあるからです。

この記事でわかること
部位は選べません:内臓脂肪だけを狙う方法は89研究のメタ解析で確認されていないこと
目標は体重の3%減:日本人3,480人で、3%減らすと血圧・空腹時血糖・尿酸まで含む11指標すべてが有意に改善したこと
運動の順位:84試験4,836人のネットワークメタ解析で、高強度有酸素(SMD −0.70)が最大、筋トレ単独が最下位だったこと
食物繊維の正確な読み方:内臓脂肪が「減る」のではなく「増える速度が3.7%鈍る」であること
酒は太るより先に内側につく:日本人男性998人のCTで、BMIで調整しても内臓脂肪との関連が残り、皮下脂肪とは関連しなかったこと
睡眠を削ると腹だけ増える:21日間の入院試験で、総体脂肪量に差が出ないのに腹部脂肪だけが増えたこと
何を測り直すか:体重ではなく腹囲と血液データで確かめること

※この記事は健康な成人が生活習慣を見直す際の参考として書いたもので、診断・治療に代わるものではありません。健診で指摘のあった方、持病のある方、妊娠中・授乳中の方、薬を飲んでいる方は、始める前に医師に相談してください。基準・制度は改定されます(2026年8月時点の情報)。

目次

まず測る|腹囲が男性85cm・女性90cm以上かどうかが入口です

立った姿勢で軽く息を吐き、へその高さでメジャーを床と水平に一周させます。男性85cm・女性90cm以上が、内臓脂肪面積100cm²に相当する目安として設定された数字です。

この85/90という数字は、2005年に日本の8学会が合同で決めたメタボリックシンドローム診断基準の必須項目です。もともと「腹囲が何cmを超えたら内臓脂肪面積が100cm²を超えるか」という対応から引かれています。つまり腹囲は内臓脂肪の代用品であって、本体ではありません。

腹囲の測り方|立って、息を吐いて、へその高さで水平に

特定健診での測り方は決まっています。立位・軽く息を吐いた状態・へその高さ・床と水平に一周の4点です。

締めすぎないこと、食事の直後と飲酒の直後を避けることも条件に入ります。座って測る、息を吸って測る、下腹の一番出たところで測る——このどれかを変えるだけで数cm動きます。比べたいのは他人ではなく3か月前の自分なので、条件をそろえるほうが基準を厳密に守ることより効きます。朝、起きてトイレを済ませたあとに測る、と決めてしまうのが一番ぶれません。

腹囲だけでは決まりません|脂質・血圧・血糖のうち2項目

腹囲は必須項目ですが、それだけではメタボと診断されません。脂質・血圧・血糖の3項目のうち2項目以上が該当して初めて診断です。

表1 メタボリックシンドロームの診断基準(2005年 日本内科学会ほか8学会合同)
区分項目基準
必須腹囲(へそ周り)男性 85cm以上/女性 90cm以上
(内臓脂肪面積100cm²に相当)
3項目中
2項目以上
脂質中性脂肪 150mg/dL以上
かつ/または HDLコレステロール 40mg/dL未満
血圧収縮期 130mmHg以上
かつ/または 拡張期 85mmHg以上
血糖空腹時血糖 110mg/dL以上

健診結果が手元にあるなら、この4つの数字を先に書き出しておいてください。3か月後に見比べるのは体重ではなくこちらです。可能であればCTで内臓脂肪面積を実測するのが正確ですが、通常の健診には含まれません。

体組成計の「内臓脂肪レベル」はどこまで信じていいか

家庭用の体組成計が出す内臓脂肪レベルは、同じ機種で同じ条件のときの増減を見る用途に限るのが安全です。絶対値を診断基準と並べないでください。

これらの機器は体に微弱な電流を流し、その通りにくさから体組成を推定します。推定である以上、体内の水分量に影響されます。入浴後・食後・運動後・飲酒後で数字は動きますし、日本人での妥当性を検証した公開データを私はまだ確認できていません。基準にするのは腹囲と血液データ、機器の数字は補助という順番にしてください。体重と体脂肪率の関係についても同じことが起きます(→ 体重が減ったのに体脂肪率が増える理由)。

内臓脂肪だけを狙って落とす方法は存在しません

食事・運動・薬・手術のすべてを含む89研究のメタ解析で、内臓脂肪を優先的に減らす介入は確認されていません(Merlotti, Int J Obes 2017)。

この解析は超音波・CT・MRIで脂肪を実測した研究を集めたもので、対象は食事療法と運動療法だけでなく、減量薬も減量手術も含みます。手段をここまで広げても、内臓脂肪だけを選んで落とす方法は出てきませんでした。腹だけ・二の腕だけ、と部位を指定できないのは内臓脂肪でも同じです(→ 脂肪燃焼とは?仕組みと運動の条件)。

絶対量では、皮下脂肪のほうが多く減っています

同じ解析で、面積・体積・重量のどれで見ても、減り幅が大きいのは皮下脂肪のほうでした(厚みで見たときだけ差がありません)。

直感に反するかもしれませんが、理由は単純です。もともと蓄えられている量が、内臓脂肪より皮下脂肪のほうがずっと多いからです。減量すると内臓脂肪も皮下脂肪も一緒に減り、量が多いほうから大きく減ります。皮下脂肪については別記事にまとめました(→ 皮下脂肪の落とし方)。

「内臓脂肪は落ちやすい」が成り立つのは%で見たときだけです

もとの量に対する減少率で比べると、どの手段でも内臓脂肪の減少率が皮下脂肪の減少率を常に上回ります。そして手段による差はありません。

表2 同じデータでも、見る単位で結論が逆になります(Merlotti 2017/89研究のメタ解析)
見る単位結果言えること
絶対量(面積・体積・重量)皮下脂肪のほうが大きく減る「内臓脂肪から先に減る」とは言えない
絶対量(厚み)差なし
減少率(%)内臓脂肪の減少率が常に上回る「%で見れば内臓脂肪のほうが速い」ここまで
手段の違い(食事・運動・薬・手術)差なし「この方法だけ内臓脂肪に効く」は言えない

「内臓脂肪は皮下脂肪より落ちやすい」という説明をよく見かけます。これは%で見たときに限って正しく、絶対量で見ると逆です。この記事では言い切らずに、条件をつけたまま置いておきます。

目標は体重の3%減|体重より先に検査値が動きます

日本人3,480人のデータで、体重を3%減らすと、肥満に関連する11指標すべてが有意に改善しました(Muramoto, Obes Res Clin Pract 2014)。5%以上減らしても、改善した項目は3〜5%群と同じでした。

対象は特定保健指導を受けた平均48.3歳・平均BMI 27.7の日本人です。6か月のプログラムと6か月の追跡で、体重減少率ごとに何が動いたかを見ています。日本肥満学会『肥満症診療ガイドライン2022』が「まず現体重の3%以上」と置いている根拠のひとつです。

表3 減量率ごとに有意に改善した指標(Muramoto 2014/日本人 n=3,480)
減量率有意に改善した指標11指標中
1%以上3%未満中性脂肪・LDLコレステロール・HbA1c・AST・ALT・γ-GTPが低下/HDLコレステロールが上昇7
3%以上5%未満上の7項目+収縮期血圧・拡張期血圧・空腹時血糖・尿酸11
5%以上3〜5%群と同じ11

体重70kgなら3%は2.1kgです。「10kg痩せる」より先に置くべき数字はこちらで、しかも1〜3%の段階で中性脂肪や肝酵素はもう動きはじめています(→ 中性脂肪を下げる食事)。

ただし、体重は内臓脂肪の代わりにはなりません

84試験を集めたネットワークメタ解析の著者は、「体重の変化は必ずしも内臓脂肪の変化を反映しない」と明記しています(Chen, Obes Rev 2024)。

3%減は「手をつける入口」としては有効な目安です。ただし体重計だけを見ていると、内臓脂肪が動いているかどうかはわかりません。だから腹囲と血液データを並べて見ます。次の章から、その3%をどう作るかに入ります。

運動|効果が大きい順は、高強度の有酸素・HIIT・有酸素+筋トレ

84試験・4,836人のネットワークメタ解析で、内臓脂肪への効果が最大だったのは高強度の有酸素運動(SMD −0.70)でした。最下位は筋トレ単独(SMD −0.46)です(Chen, Obes Rev 2024)。

SMD(標準化平均差)はマイナスが大きいほど内臓脂肪の減りが大きいことを意味します。SUCRAは、その種目が上位に来る確率をまとめた順位づけの指標です。7種目のうち、HIITと筋トレを組み合わせたものだけが統計的に有意になりませんでした。

表4 運動の種類別・内臓脂肪への効果(Chen 2024/84RCT・n=4,836)
運動の種類SMD(95%信頼区間)PSUCRA順位
高強度の有酸素運動−0.70(−0.92, −0.48)<0.000181.2(1位)
HIIT(高強度インターバル)−0.64(−0.84, −0.44)<0.000168.4(2位)
中〜高強度の有酸素運動−0.57(−0.86, −0.29)<0.00164.3(3位)
有酸素運動+筋トレ−0.61(−0.81, −0.42)<0.000163.5(4位)
中強度の有酸素運動−0.53(−0.68, −0.38)<0.000160.0(5位)
筋トレ単独−0.46(−0.67, −0.26)<0.00130.2(最下位)
HIIT+筋トレ−0.60(−1.21, 0.01)有意でない

筋トレ単独が最下位なのは「内臓脂肪への効果量」の話だけです

この順位を「筋トレは無駄」と読まないでください。筋トレ単独でもSMDは −0.46で有意に減っていますし、有酸素運動に足した「有酸素+筋トレ」は−0.61で上位です。

この解析が並べているのは、あくまで内臓脂肪という一つの指標に対する効果量です。減量中の筋量維持は別の目的で、そちらは筋トレとたんぱく質が担当します。読み方としては「内臓脂肪を動かしたいなら有酸素が主、筋トレは足す側」——順番の話であって、要不要の話ではありません。

食事に運動を足すと、同じ体重減でも内臓脂肪が余分に減ります

18か月・278人・MRIで追跡した試験で、体重の減り方とは独立に、運動を足した群は内臓脂肪を平均 6.67cm²多く減らしました(95%信頼区間 −14.8〜−0.45/Gepner, CENTRAL trial, Circulation 2018)。

「独立に」というのがこの結果の要点です。体重の減り幅をそろえて比べても、運動を足したほうが内臓脂肪は余分に減っていました。食事だけで体重を落とした場合と、食事に運動を足して同じだけ落とした場合とで、中身が違うということです。

食事|水溶性食物繊維と、脂質の質を変えます

1,114人を5年追跡した研究で、水溶性食物繊維を1日10g増やすごとに、内臓脂肪の増える速度が3.7%鈍りました(P=0.01/Hairston, IRAS Family Study)。BMIの変化とは独立です。

同じ研究で、中等度の身体活動をしている人は、活動の少ない人に比べて内臓脂肪の蓄積速度が7.4%鈍っていました(P=0.003)。5年という長さで見ると、運動と食物繊維は「減らす」より先に「増やさない」ほうで効いています。

これは「減る」ではなく「増え方が鈍る」です

ここは言い換えないでください。食物繊維を増やしたから内臓脂肪が減った、という結果ではありません。5年かけて増えていく速度が鈍った、という結果です。

この区別は実務上も大事です。すでに腹囲が基準を超えている人が食物繊維を増やしても、それだけで内臓脂肪が減るとは期待できません。減らすほうは前の章(3%減と運動)が担当し、食物繊維はその後戻らせないための担当になります。なお、水溶性食物繊維10gを日本の食品で具体的にどう組むかは、日本食品標準成分表で計算し直してから別記事にします。海外の記事にある食品換算をそのまま持ってくると量がずれます。

同じだけ痩せても、食事の型で減る部位が変わります

CENTRAL試験では、内臓脂肪 −22%に対して肝臓の脂肪は −29%、心膜脂肪は −11%、膵臓と大腿の筋間脂肪は1〜2%と、部位ごとに減り方が大きく違いました。

表5 18か月後の部位別の減り方(Gepner, CENTRAL trial 2018/n=278・MRI)
脂肪のある場所18か月後の変化
肝臓−29%
内臓脂肪−22%
心臓のまわり(心膜)−11%
膵臓・大腿の筋間1〜2%

この試験では、地中海食/低糖質食にくるみ28g/日を足した群が、低脂肪食の群より肝臓・心膜・膵臓の脂肪を多く減らしました(P<0.05)。同じ体重減でも、脂質の質を変えたほうが内側の脂肪はよく動いた、という読み方になります。著者は「中等度の減量だけでは、生活習慣がリスクにつながる脂肪へ与えた効果を正しく映さない」と結論に書いています。

肝臓の脂肪については別記事があります(→ 脂肪肝にいい食べ物・肝臓に悪い食べ物)。腸内細菌と内臓脂肪の話はこちら(→ ガセリ菌で痩せたは本当?)。

飲酒|酒は「太る」より先に「内側につく」

日本人男性998人をCTで実測した研究で、飲酒量が多いほど内臓脂肪の面積・割合・内臓/皮下の比が高く、BMIで調整してもその関連は残りました。一方で皮下脂肪の面積とは有意な関連がありませんでした(Sumi, SESSA, J Epidemiol 2019)。

滋賀県の地域住民を対象にした研究で、平均63.8歳・平均BMI 23.6・40〜79歳の男性が対象です。週あたりの純アルコール量で5群(0/0.1〜160.9/161〜321.9/322〜482.9/483g以上)に分け、いずれの指標でも傾向性の検定がP<0.001でした。腹囲とウエスト/ヒップ比にも関連が出ています(P=0.042/0.007)。元飲酒者は除いてあります。

「BMIで調整しても残った」がここでの要点です。体重が増えていなくても内臓脂肪のほうには乗っている可能性がある、ということになります。体重計を見て安心している人ほど確認する価値があります。

※この研究は日本人男性 n=998・平均63.8歳を対象にした横断研究です。ある一時点で「飲酒量が多い人ほど内臓脂肪が多い」という関連を示したもので、飲酒が内臓脂肪を増やしたという因果を証明したものではありません。女性や若年層にそのまま当てはめられる結果でもありません。

目安は純アルコールで男性20g・女性10g以下

厚生労働省が示している「節度ある適度な飲酒」は、1日あたり純アルコールで男性が約20g以下、女性は約10g以下です。

純アルコール量は「量(mL)×度数(%)÷100×0.8」で計算します。ビール500mL(5%)なら20g、日本酒1合180mL(15%)なら約22g、ワイン200mL(12%)なら約19gです。SESSAで最も内臓脂肪が多かった群は週483g以上——1日あたり約69gですから、日本酒3合が毎日という水準になります。まずは飲まない日を週に何日作るかを先に決めるほうが、1回の量を測るより続きます。

睡眠|4時間睡眠を14日続けると、腹の脂肪だけが増えました

21日間の入院クロスオーバー試験で、総体脂肪量には差が出ないのに、腹部の脂肪だけが睡眠制限時に増えました(P=0.011)。皮下・内臓の両方で有意です(P=0.047/P=0.042/Covassin, JACC 2022)。

健康で肥満ではない12人(男性9人・19〜39歳)を入院管理下に置き、4日間の馴化のあと、睡眠機会4時間の14日間または9時間の対照期間を経て、3日間回復させる設計です。食事は自由摂取でした。

表6 睡眠を4時間に制限した14日間で動いたもの・動かなかったもの(Covassin 2022/n=12)
項目結果P
摂取エネルギー増えた0.015
エネルギー消費量変わらないすべて>0.16
体重増えた0.008
総体脂肪量差なし0.710
腹部の脂肪睡眠制限時にだけ増えた0.011
 うち皮下脂肪増えた0.047
 うち内臓脂肪増えた0.042

消費カロリーは変わりません。増えたのは摂取のほうです

この試験でエネルギー消費量はどの指標でも変わりませんでした。増えたのは食べる量のほうです(たんぱく質 P=0.050/脂質 P=0.046)。

つまり「寝れば代謝が上がって痩せる」ではありません。寝ないと食べる量が増え、増えた分が腹につくという向きです。ここは睡眠とダイエットの関係をまとめた別記事でも同じ結論になっています(→ 睡眠ダイエットの正体)。なお対象は12人・14日間の小規模な試験です。「短期間の介入で実際に内臓脂肪が増えた」ところまでが読み取れる範囲になります。

8時間を超えると頭打ちになります

5,151人のNHANESデータをDXAで解析した研究では、睡眠時間と内臓脂肪量に有意な負の相関があり、1日8時間以上では上乗せが見られませんでした(Giannos, Sleep Med 2023)。

年齢・人種・BMI・総体脂肪量・エネルギーとアルコールの摂取・睡眠の質・睡眠障害を調整したうえでの結果です(全体 β=−12.139, P<0.001/男性 −10.096, P<0.001/女性 −11.545, P=0.038)。ただしこちらは横断研究なので、因果は言えません。長く寝るほど良いのではなく、削らないことに意味があって、8時間より先を狙う理由はない——という読み方にとどめます。

3か月後に、何を測り直すか

体重ではなく腹囲と血液データを測ります。最初に動くのは中性脂肪・HDLコレステロール・肝酵素(AST・ALT・γ-GTP)・血圧・空腹時血糖です。

表7 3か月後に見比べるもの
測るもの条件読み方
腹囲朝・排尿後・立位・軽く息を吐いて・へその高さ条件をそろえた同士で比べる
体重同じ時刻・同じ条件まず3%減。ただし内臓脂肪の代わりにはならない
中性脂肪・HDL健診・血液検査1〜3%減の段階から動く
AST・ALT・γ-GTP同上同上。飲酒量を変えたなら特に見る
血圧・空腹時血糖・尿酸同上3%減の水準で動きはじめる

「何日で減りますか」に答えられる根拠は、いまのところありません

正直に書きます。この記事で使った研究に、日単位で内臓脂肪の減り方を示したものはありません。

部位別の減り方を出したCENTRALは18か月、減量幅と検査値の関係を出したMuramotoは6か月のプログラムと6か月の追跡です。5年の追跡研究もあります。「1週間で」「1か月で」に答える一次資料が手元にない以上、この記事では書きません。代わりに置ける現実的な目安は、3か月後に上の表を測り直して、腹囲と検査値のどちらかが動いているかを見ることです。動いていなければ、やっている内容ではなく1日の合計エネルギーのほうを疑います。

受診の目安|自己流で進めないほうがいい場合

腹囲が基準を超え、脂質・血圧・血糖のうち2項目が該当していれば、メタボリックシンドロームに当てはまります。健診で指摘を受けているなら、自己流で始める前に受診してください。

すでに脂質異常症・高血圧・糖尿病で治療中の方、肝機能の数値を指摘されている方は、食事量や運動強度を大きく変える前に主治医に相談してください。減量に使われる薬もありますが、効果と副作用の判断は医師の管理下で行うもので、この記事では扱いません。妊娠中・授乳中の方、持病のある方も同様です。

まとめ

内臓脂肪だけを狙って落とす方法はありません。選べるのは順番だけです。

  • 測る:腹囲は立位・呼気・へその高さ。男性85cm・女性90cmが入口。健診の脂質・血圧・血糖も書き出す
  • 目標:まず体重の3%減。日本人3,480人で11指標すべてが動いた水準。ただし体重は内臓脂肪の代わりにならない
  • 運動:効果量が大きいのは高強度の有酸素(SMD −0.70)。筋トレは「足す側」で、有酸素+筋トレは−0.61と上位
  • 食事:水溶性食物繊維は「増え方を鈍らせる」担当。脂質の質を変えると肝臓・心膜の脂肪がよく動く
  • :BMIで調整しても内臓脂肪との関連が残る。皮下脂肪とは関連しない。純アルコール男性20g・女性10gが目安
  • 睡眠:削ると腹だけ増える。消費は変わらず摂取が増える。8時間より先は頭打ち
  • 確かめる:3か月後に腹囲と血液データ。日単位の目安は根拠がないので置かない

内臓脂肪を落とす方法のよくある質問

Q. 内臓脂肪だけ先に落とせますか。

A. できません。食事・運動・薬・手術を含む89研究のメタ解析で、内臓脂肪を優先的に減らす介入は確認されていません。ただしもとの量に対する減少率で見れば、内臓脂肪の減り方は皮下脂肪を常に上回ります。狙って落とすことはできないが、全体を落とせば%としては内臓脂肪のほうが速い、というのが正確な言い方です。

Q. 何kg減らせばいいですか。

A. まず現体重の3%です。70kgなら2.1kg、80kgなら2.4kgになります。日本人3,480人のデータで、3%減らすと血圧・空腹時血糖・尿酸まで含む11指標すべてが有意に改善しました。5%以上減らしても改善した項目は増えていません。大きな数字を置くより、3%を確実に作って検査値を見るほうが先です。

Q. 筋トレだけではだめですか。

A. だめではありません。筋トレ単独でも内臓脂肪はSMD −0.46で有意に減っています。ただし84試験の比較では順位が最下位で、有酸素運動のほうが効果量は大きく出ました。内臓脂肪を動かす目的なら有酸素が主、筋トレは足す側です。有酸素+筋トレは−0.61で上位に入ります。減量中の筋量維持は別の目的なので、その意味では筋トレを外す理由はありません。

Q. 何日で減りますか。

A. 日単位で答えられる一次資料を確認できていないので、この記事では書きません。使った研究は6か月・18か月・5年という単位です。現実的には3か月後に腹囲と血液データを測り直して、動いているかどうかで判断してください。

Q. お酒は何なら飲んでいいですか。

A. 種類ではなく純アルコール量で考えます。厚生労働省の「節度ある適度な飲酒」は1日あたり男性約20g以下・女性約10g以下です。ビール500mL(5%)で20g、日本酒1合で約22gになります。日本人男性998人のCT研究では、週あたりの飲酒量が多い群ほど内臓脂肪が多く、BMIで調整しても関連が残りました。1回の量を減らすより、飲まない日を作るほうが管理しやすいと思います。

Q. 体重は減ったのに腹囲が変わりません。

A. 珍しいことではありません。84試験のメタ解析の著者も「体重の変化は必ずしも内臓脂肪の変化を反映しない」と書いています。腹囲は測定条件で数cm動くので、まず測り方をそろえてください(朝・排尿後・立位・軽く息を吐いて・へその高さ・水平)。条件をそろえても3か月動かないなら、中性脂肪・肝酵素が動いているかを健診の数字で確認します。そちらが動いていれば方向は合っています。

参考文献

  1. Chen X, He H, Xie K, Zhang L, Cao C. Effects of various exercise types on visceral adipose tissue in individuals with overweight and obesity: a systematic review and network meta-analysis of 84 randomized controlled trials. Obes Rev. 2024;25(3):e13666. PubMed
  2. Merlotti C, Ceriani V, Morabito A, Pontiroli AE. Subcutaneous fat loss is greater than visceral fat loss with diet and exercise, weight-loss promoting drugs and bariatric surgery: a critical review and meta-analysis. Int J Obes (Lond). 2017;41(5):672-682. PubMed
  3. Gepner Y, Shelef I, Schwarzfuchs D, et al. Effect of distinct lifestyle interventions on mobilization of fat storage pools: CENTRAL magnetic resonance imaging randomized controlled trial. Circulation. 2018;137(11):1143-1157. PubMed
  4. Hairston KG, et al. Lifestyle factors and 5-year abdominal fat accumulation in a minority cohort: the IRAS Family Study. Obesity (Silver Spring). n=1,114・5年追跡。 PubMed
  5. Covassin N, Singh P, McCrady-Spitzer SK, et al. Effects of experimental sleep restriction on energy intake, energy expenditure, and visceral obesity. J Am Coll Cardiol. 2022;79(13):1254-1265. PubMed
  6. Giannos P, Prokopidis K, et al. Association between sleep duration and visceral adiposity in adults: NHANES 2011-2014. Sleep Med. 2023;105:25-31. PubMed
  7. Sumi M, Hisamatsu T, Fujiyoshi A, et al. Association of alcohol consumption with fat deposition in a community-based sample of Japanese men: the Shiga Epidemiological Study of Subclinical Atherosclerosis (SESSA). J Epidemiol. 2019;29(6):205-212. PubMed
  8. Muramoto A, Matsushita M, Kato A, et al. Three percent weight reduction is the minimum requirement to improve health hazards in obese and overweight people in Japan. Obes Res Clin Pract. 2014;8(5):e466-475. PubMed
  9. メタボリックシンドローム診断基準検討委員会「メタボリックシンドロームの定義と診断基準」日本内科学会雑誌 2005;94(4):794-809.
  10. 日本肥満学会『肥満症診療ガイドライン2022』 リンク
  11. 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム」(腹囲の測定方法) リンク
  12. 厚生労働省「健康日本21」における「節度ある適度な飲酒」 リンク

本文の数値は、上記の各研究の報告値と公的機関の公表値によります。基準・制度は改定されます(2026年8月時点の情報)。この記事は健康な成人が生活習慣を見直す際の参考として書いたもので、診断・治療に代わるものではありません。健診で指摘のあった方、持病のある方、妊娠中・授乳中の方、薬を飲んでいる方は、始める前に医師に相談してください。

この記事を書いた人

臨床ブロガー 臨床検査技師/18年・88kg→65kg

検査値を通して人の体を見てきました。論文を確認し、自分の実測とは分けて書いています。医師・管理栄養士ではなく、診断・治療・服薬の判断は行いません。

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この記事を書いた人

臨床検査技師。専門は生化学検査。健診センターのデータ業務、治験コーディネーター(CRC)、総合病院、公立病院の経営推進課を経て、現在はWEBマーケティングが本業。自身が20回のダイエット失敗のあと88kgから65kgへ。論文を読んで気になったものを自分の体で試し、体重・腹囲・血液検査・体組成という数値で確かめた記録を書いています。効くものは効くと、効かないものは効かないと書きます。広告主から記事内容の指定を受けることはありません。

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