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4つのプランの栄養基準と、実際にいくらかかるのか。継続割の解約条件と、向いていない人の条件まで、公式に出ている数字だけで並べました。

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ダイエット中のおやつは何を選ぶ?市販18品をカロリー・たんぱく質で比較

ダイエット中のおやつは何を選ぶ?市販18品をカロリー・たんぱく質で比較

ダイエット中でも、おやつは食べたい。では、市販のどれを選べばいいのでしょうか。

先に結論を書きます。食べれば痩せるおやつは、いまのところ見つかっていません。決められるのは、1回にどれだけ食べるかと、その範囲で何を選ぶかだけです。

私は臨床検査技師です。患者さんを診る立場ではありませんが、数字がどう出されたものかを疑うのが仕事です。今回、間食と体重の研究を読み直して意外だったのは、間食をアーモンドに置き換えて1年続けた試験でさえ、ビスケットより体重が減るとは確認されていなかったことでした。

この記事でわかること
・間食をアーモンドに替えて1年続けた136人の試験の結果
・市販おやつ18品を1回分でそろえた比較表(カロリー・たんぱく質・食物繊維・食塩)
・口寂しさ/腹持ち/甘い欲/カロリー最小の4つの目的別に、どこから取るか
・同じ160kcalでも、たんぱく質が入ると次の食事が約30分遅れた試験
・いちばん多い失敗が「ヘルシーなのに満足せず、もう一個食べる」である理由

この記事は2021年に私が書いたものを、2026年に全面的に書き直しました。初版はアーモンド1品の紹介で、根拠になる論文を1本も置いていませんでした。今回は市販品の選び方だけを扱い、手作りのレシピは扱いません。

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目次

まず結論:おやつは「痩せる食品」で選ばない。先に量を決める

1年の試験でも、アーモンドに替えてビスケットより体重が減るとは確認されませんでした。

「ナッツは太らない」「高カカオなら大丈夫」という言い方は、いまでもよく見ます。ところが、それを長期のランダム化比較試験で確かめた研究を読むと、話が少し違ってきます。

アーモンドとビスケットを1年食べ比べた136人の試験

体重変化の群間差は確認されませんでした(P=0.275)。体組成やその他の指標も同じです。

ふだんから菓子類を間食する非肥満の人136人を、アーモンド群とビスケット群に無作為に割り付けて1年続けた試験があります(Brown, Am J Clin Nutr 2023)。間食のエネルギーは両群でそろえてあり、1日の総エネルギー必要量の10%か、1030kJ(アーモンド42.5g相当)の多いほうを毎日食べます。

見たものアーモンド群ビスケット群判定
体重(開始→12か月・幾何平均)67.1 → 69.5 kg66.3 → 66.3 kg群間差は確認されず(P=0.275)
体組成・その他の非食事指標いずれも群間差は確認されずすべて P≥0.112
Brown RC ら, Am J Clin Nutr 2023 より。「差が確認されなかった」は「まったく変わらなかった」という意味ではなく、群の間に差があるとは言えなかった、という意味です。

読み方は難しくありません。間食をアーモンドに替えるという一手だけで体重が動く、という結果は出なかった、というだけの話です。ここを飛ばして「ナッツは痩せる」と書いてある記事は、この試験を見ていないか、都合よく読んでいます。

それでも置き換えると、食事の中身は変わっていた

たんぱく質・食物繊維・不飽和脂肪酸の摂取が増え、炭水化物と糖のエネルギー比が下がりました。

同じ試験で、食事の内容のほうははっきり動いています。アーモンド群では、たんぱく質、一価・多価不飽和脂肪酸、食物繊維、ビタミンE、カルシウム、銅、マグネシウム、リン、亜鉛の摂取量が有意に増えました(いずれもP≤0.033)。逆に、炭水化物と糖から取るエネルギーの割合は有意に減っています(ともにP≤0.014)。

つまり、おやつの選び方が効くのは体重計の数字ではなく、その日の食事の中身のほうでした。この記事はそこを前提に書きます。カロリーそのものの考え方はカロリー制限では痩せない理由にまとめてあります。

1日の間食は200kcal程度が目安

食事バランスガイドでは、お菓子と嗜好飲料をあわせて1日200kcal程度を目安としています。

厚生労働省のe-ヘルスネット「お菓子や間食の取り入れ方」では、食事バランスガイドが1日のお菓子や嗜好飲料の目安の量を200kcalとしている、と説明されています。これは個人ごとの上限値ではなく、あくまで目安です。それでも、先に枠を決めておくと選ぶ基準が一つに定まります。

市販おやつ18品を1回分で比べる

1回分のカロリー・たんぱく質・食物繊維・食塩を並べると、200kcalの使い道は自然に決まります。

100gあたりの数字を並べても、買い物では使えません。実際に一度に食べる量にそろえた表を作りました。数値は日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年、または各メーカーの公表値です。

商品1回分の目安kcalたんぱく質炭水化物食物繊維食塩相当量噛みごたえ
するめ20 g6113.8 g0.1 g(0) g0.5 g
ビーフジャーキー20 g6111.0 g1.3 g1.0 g
アーモンド(いり無塩)25 g1525.1 g5.2 g2.8 g0 g
プロセスチーズ1個 18 g564.1 g0.2 g0.5 g
ゆで卵1個 可食部50 g676.3 g0.2 g0.2 g
ギリシャヨーグルト(オイコス プレーン加糖)1個 113 g9210.1 g12.3 g0.1 g×
プロテインバー(inバープロテイン ベイクドチョコ)1本 42 g19915.8 g12.5 g(糖質11.0 g)0.6〜2.5 g0.17〜0.72 g
高カカオチョコ(チョコレート効果カカオ72%)5枚 25 g1402.5 g11.0 g(糖質8.0 g)3.0 g0 g
ミルクチョコレート板1/2枚 25 g1381.7 g14.0 g1.0 g×
練りようかん1切れ 50 g1451.8 g35.0 g1.6 g×
干し芋(蒸し切干)30 g830.9 g21.6 g2.5 g0 g
干しぶどう30 g970.8 g24.1 g1.2 g
こんにゃくゼリー(蒟蒻畑 ぶどう味)1個 25 g260 g6.6 g(糖質6.2 g)0.4 g0.03 g
氷菓(ガリガリ君ソーダ)1本 105 ml660 g16.8 g0.042 g
低糖質アイス(SUNAO バニラ)1個 120 ml801.8 g13.4 g(糖質5.8 g)7.6 g0.10 g×
ラクトアイス(普通脂肪)100 g2173.1 g22.2 g×
ラムネ(森永ラムネ)1本 29 g1080 g26.3 g0 g×
糖衣ガム1粒 約1.5 g約60 g約1.5 g
出典=日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年およびメーカー公表値。「噛みごたえ」は成分表の項目ではなく、食感と一度に噛む回数から判断したこの記事の分類です。炭水化物は成分表の値で、メーカーが糖質と食物繊維に分けて公表している商品は括弧で併記しました。するめの値は成分表の「するめ」で、市販のあたりめは味付けと塩分が製品ごとに違うので商品表示を確認してください。糖衣ガムは100g値からの換算で、1粒の重量には製品差があります。

この表を上から順に読む必要はありません。見る列は3つだけです。

表で見るのは3列だけでいい

見るのはカロリー・たんぱく質・食塩の3つ。あとは目的に合わせて食物繊維を足すだけです。

買う前に決めること中身
1. 1回分の量を決める袋ごとではなく「25g」「1本」「1個」と先に決める。表の「1回分の目安」がその単位
2. 1日200kcal程度に収める食事バランスガイドの目安。飲み物の砂糖もこの枠に入る
3. 目的の枠を1つだけ選ぶ口寂しさ/腹持ち/甘いものが欲しい/カロリー最小。2つ選ぶと合計が増える
おやつ選びで最初に決める3つ。商品を選ぶのは、この3つが決まってからです。

食塩を列に入れているのは、噛みごたえのある商品ほど塩が入っているからです。するめは100gあたり食塩相当量2.3g、ビーフジャーキーは4.8gあります。1回20gなら0.5gと1.0gですが、袋を空けるところまでいくと話が変わります。

アーモンドを選ぶなら、25gを先に取り分ける

袋のまま食べると量が決まりません。25gで152kcalなので、先に小分けする使い方が向きます。

アーモンドは、いり無塩で100gあたり608kcal・たんぱく質20.3g・食物繊維11.0gです。1回25gなら152kcalで、200kcalの枠にぎりぎり収まります。裏を返すと、35gを超えたところで枠は使い切ります。

先ほどの1年の試験が示したのは「食べても太らない」でも「食べれば痩せる」でもなく、置き換えても体重の差は出なかった、ということでした。健康食品だから自由に食べていい、という話ではありません。買うなら、25g程度を先に取り分けられる形のものが向いています。無塩タイプなら、表の食塩の列を増やさずに済みます。

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私が食べ比べたなかでは、粒がそろっていて、中の色が褐色に変わっていないものが当たりでした。アーモンドは古くなると中が褐色になり、ひどいと苦味が出ます。1kgのような大袋を買うなら、小分けの容器も一緒に用意しておくほうが結局続きます。

飲み物で済ませたいなら、無糖のココアや炭酸水

ピュアココア大さじ1杯は23kcal。砂糖入りの調整ココアとは別物なので、表示で見分けます。

ピュアココア(純ココア)は成分表で100gあたり386kcal・たんぱく質18.5g・食物繊維23.9gです。大さじ1杯を6gとすると23kcal・食物繊維1.4gで、無糖の牛乳や豆乳に溶かせば200kcalの枠を大きくは使いません。

気をつけるのは「調整ココア」「ミルクココア」と書かれた粉のほうです。あちらは砂糖と乳製品が最初から入っていて、同じ「ココア」でも中身が違います。ココアで痩せるという研究があるわけではないので、あくまで甘い飲み物からの置き換え先として考えてください。砂糖入りの飲料の話は果糖ぶどう糖液糖は体に悪い?砂糖との違いとリスクを論文で検証にまとめてあります。

目的別に、どの枠から取るかを決める

口寂しさ・腹持ち・甘いものが欲しい・カロリー最小の4つで、選ぶ棚がはっきり変わります。

同じ「おやつが食べたい」でも、中身は同じではありません。手を止めたいだけの日と、夕食まで持たせたい日と、甘いものでないと収まらない日は、選ぶ棚が違います。

図解1:今日の目的で、取る棚を変える口寂しさを埋めたいするめ20g 61kcal / ビーフジャーキー20g 61kcal / チーズ1個 56kcalゆで卵1個 67kcal / 糖衣ガム1粒 約6kcal次の食事まで持たせたいギリシャヨーグルト1個 92kcal(たんぱく質10.1g)プロテインバー1本 199kcal(15.8g) / アーモンド25g 152kcal甘いものが欲しい高カカオチョコ5枚 140kcal / 練りようかん50g 145kcal低糖質アイス1個 80kcal / 干し芋30g 83kcalカロリーを最小にしたいこんにゃくゼリー1個 26kcal / 氷菓1本 66kcal糖衣ガム1粒 約6kcal1日の間食は200kcal程度が目安(食事バランスガイド)。枠を2つ選ぶと合計が増える

この4つを、1回分の数字つきで並べ直したのが次の表です。

目的選ぶ枠候補(1回分)
口寂しさを埋めたい噛む枠するめ20g(61kcal)/ビーフジャーキー20g(61kcal)/プロセスチーズ1個(56kcal)/ゆで卵1個(67kcal)/糖衣ガム1粒(約6kcal)
次の食事まで持たせたいたんぱく質枠ギリシャヨーグルト1個(92kcal・たんぱく質10.1g)/プロテインバー1本(199kcal・15.8g)/アーモンド25g(152kcal)
甘いものが欲しい甘味枠高カカオチョコ5枚(140kcal)/練りようかん50g(145kcal)/低糖質アイス1個(80kcal)/干し芋30g(83kcal)
とにかくカロリーを抑えたい最小枠こんにゃくゼリー1個(26kcal)/氷菓1本(66kcal)/糖衣ガム1粒(約6kcal)
目的別の候補と1回分。数値は表2と同じ出典です。

口寂しさを埋めたい|するめ・ジャーキー・チーズ・ゆで卵

するめ20gは61kcalでたんぱく質13.8g。カロリーあたりで最も長く噛める枠です。

手が止まらない、口が寂しい、という日にいちばん合うのがこの枠です。するめは成分表で100gあたり304kcal・たんぱく質69.2g・炭水化物0.4g。20gなら61kcalで、200kcalの枠を3分の1も使いません。

ただし食塩相当量は100gあたり2.3gあります。20gで0.5gなので1回なら問題になりませんが、Xでもこの枠の不満は顎の疲れではなく塩分で、むくみを気にする声のほうが目立ちます。ビーフジャーキーは食塩相当量が100gあたり4.8gとさらに多く、20gで1.0gです。噛みごたえで選ぶなら、量ではなく塩のほうを見てください。

塩を増やしたくない日は、プロセスチーズ1個(18gで56kcal・食塩0.5g)やゆで卵1個(可食部50gで67kcal・食塩0.2g)に振り替えます。味がつかず、それでいて噛む回数は確保できます。

次の食事まで持たせたい|たんぱく質が10g前後入っているもの

オイコス1個は92kcalでたんぱく質10.1g、プロテインバーは199kcalで15.8gです。

15時に食べて夕食まで持たせたい、という使い方をするなら、カロリーの低さよりたんぱく質の量を見ます。ギリシャヨーグルト(ダノン オイコス プレーン加糖)は1個113gで92kcal・たんぱく質10.1g・脂質0g。プロテインバー(森永 inバープロテイン ベイクドチョコ)は1本42gで199kcal・たんぱく質15.8gです。

プロテインバーは1本で200kcalの枠をほぼ使い切ります。そのぶん、たんぱく質は表のなかで最も多く入ります。「これ1本で今日の間食は終わり」と決められるなら合う選択肢です。なぜたんぱく質を見るのかは、後半の研究のところで説明します。

甘いものが欲しい|高カカオ・ようかん・低糖質アイス

高カカオ5枚で140kcal、練りようかん50gで145kcal、低糖質アイス1個で80kcalです。

甘いものは我慢の対象にしないほうが続きます。高カカオチョコ(明治 チョコレート効果カカオ72%)は1枚5.0gで28kcal・糖質1.6g・食物繊維0.6g。5枚で140kcalです。練りようかんは成分表で100gあたり289kcal・脂質0.2gなので、1切れ50gで145kcal。脂質はほぼゼロですが、炭水化物は35.0gあります。和菓子は「脂質が低い」のであって「糖が少ない」わけではありません。

アイスなら、氷菓のガリガリ君ソーダが1本105mlで66kcal、低糖質のSUNAOバニラが1個120mlで80kcal・糖質5.8g・食物繊維7.6gです。同じアイスでもラクトアイス(普通脂肪)は100gで217kcalあるので、種類別の表示を見るだけで倍以上の差がつきます。

干し芋(蒸し切干)は30gで83kcal・食物繊維2.5g、干しぶどうは30gで97kcalです。どちらも「自然だから安心」という枠ではありません。心血管代謝リスクのある成人55人が、混合ドライフルーツを4週間食べた試験では、エネルギーと炭水化物をそろえた対照の間食と比べて体重に差は出ませんでした(Sullivan, Br J Nutr 2020)。乾燥させたぶん糖はまとまっているので、30gなど先に量を決めてから開けてください。オートミールを使ったおやつについてはオートミールダイエット1週間の結果で別に扱っています。

とにかくカロリーを抑えたい|こんにゃくゼリー・氷菓・ガム

蒟蒻畑1個は26kcal、ガリガリ君ソーダ1本は66kcal、糖衣ガム1粒は約6kcalです。

こんにゃくゼリー(マンナンライフ 蒟蒻畑 ぶどう味)は1個25gで26kcal・糖質6.2g・食物繊維0.4gです。200kcalの枠に7個入る計算になりますが、そういう使い方をするものではありません。1個で26kcalという低さが価値で、食物繊維0.4gに減量効果を期待するものではない、と分けて考えてください。

ガムは糖衣ガムで100gあたり390kcal、1粒1.5gなら約6kcalです。カロリーの面ではほぼ無視できます。ただし、ガムには「食べる量が減る」以外の効き方があることが分かっているので、これは後半で扱います。

なぜその選び方になるのか(研究で分かっていること)

同じカロリーでも、たんぱく質が入ると次の食事が遅れ、硬い食感だと食べる速さが落ちます。

ここからは、なぜ「たんぱく質」と「食べごたえ」を見るのかの根拠です。数字はいずれも小規模な試験なので、どこまで言えてどこから言えないかも一緒に書きます。

同じ160kcalでも、たんぱく質が入ると次の食事が約30分遅れた

たんぱく質14gのヨーグルトは、チョコより約30分遅く食べ始め、夕食が約100kcal少なくなりました。

健康な女性20人(27±2歳、BMI 23.4±0.7)に、160kcalでそろえた3種類の午後の間食を食べ比べてもらった試験があります(Ortinau, Nutr J 2014)。

160kcalの間食たんぱく質/糖質/脂質次に食べ始めるまで夕食の摂取量
高たんぱくヨーグルト14 g/25 g/0 g基準基準
高脂肪クラッカー0 g/19 g/9 g約20分早い(p=0.07)約100kcal多い(p=0.08)
高脂肪チョコレート2 g/19 g/9 g約30分早い(p<0.01)約100kcal多い(p<0.05)
Ortinau LC ら, Nutr J 2014 より。20人・クロスオーバー試験。クラッカーとの差は統計的な有意水準には届いていません。

面白いのは、満腹感そのものには差が出ていないことです。「お腹がいっぱいになった感じ」は同じなのに、次に手が伸びるまでの時間と、そのあと食べた量が違いました。おやつを選ぶときに満足感の主観だけで判断すると、この差は見落とします。

ただし20人の1回きりの試験です。ここから言えるのは「同じカロリーなら、たんぱく質が入っているほうを選ぶ理由がある」までで、たんぱく質を何g取れば痩せる、という話ではありません。

同じカロリーでも、食後の血糖の上がり方は違った

100人の試験で、アーモンドはビスケットより食後血糖の曲線下面積が低い結果でした。

100人が参加した急性のクロスオーバー試験で、標準化した朝食の2時間後に、エネルギーをそろえた生アーモンドまたは甘いビスケットを食べてもらいました(Brown, Int J Environ Res Public Health 2021)。食後の血糖曲線下面積は、アーモンドのほうが53mmol/L・min低い結果でした(95%CI 45〜61、p<0.001)。

ただし、その2時間後に出された自由摂取の昼食の量には差がありませんでした。差が出たのはその日の残りで、アーモンドのほうが638kJ(約153kcal)少なくなっています(p=0.035)。血糖が低く抑えられたから食べる量が減った、という単純な話にはなっていません。

断り書き
ここで扱っている血糖の数字は、食品どうしを比べた試験の結果です。個人の検査値から糖尿病などを判断する話ではありません。健診の数値は主治医と見てください。ダイエットで検査値がいつ動くかはダイエットで血液検査の数値はいつ動く?にまとめています。

噛みごたえも選択材料のひとつ|硬い食感で摂取量が減った実験はある

18人・288食の試験では、硬い条件のほうが1日571kcal少なく、食べる速さも遅い結果でした。

健康な成人18人に、硬い/柔らかい × 未加工/超加工の4条件の食事を1日ずつ自由に食べてもらった試験があります(Lasschuijt, Eur J Nutr 2023)。計288食を出し、エネルギー密度は1kcal/gにそろえてあります。

硬い条件では、1日のエネルギー摂取が33%(571±135kcal)少なく、食べた重量も14%少なくなりました。食べる速さは平均で85%遅くなっています。そして、加工度そのものは摂取量に影響していませんでした。「超加工品だから太る」ではなく「柔らかいから速く食べられる」ほうが効いていた、ということです。

ここは正直に書きます。18人の短期実験なので、するめを選べば日常生活でも571kcal減る、という一般化はできません。噛むこと全体をまとめた系統的レビューでも、16の実験のうち食事量が減ったのは10で、空腹感は下がるものの(−2.31 VAS点、95%CI −4.67〜−1.38、p<0.001)、出版バイアスと研究間の非常に大きなばらつき(I²=93.4%)が残ると著者自身が書いています(Miquel-Kergoat, Physiol Behav 2015)。

つまり噛みごたえは、量を決める主軸ではなく、同じカロリーなら選ぶ理由になる補助的な材料です。この記事で表に「噛みごたえ」の列を入れているのも、その程度の重みだと思ってください。

高カカオチョコは「痩せるお菓子」ではない|25gで同じ効果が出る根拠はない

16人が100g食べた試験で次の食事が17%減りました。25gは試験量の4分の1で別の話です。

高カカオチョコを勧める記事がよく引くのが、この試験です。健康な標準体重の男性16人に、ダークチョコ100g(2502kJ)またはミルクチョコ100g(2285kJ)を食べてもらい、2時間後に自由摂取の食事を出しました(Sørensen & Astrup, Nutr Diabetes 2011)。ダークのほうが満腹感が高く、甘いもの・脂っこいもの・塩気のあるものへの欲求がいずれも低く、次の食事のエネルギーは17%低い結果でした(P=0.002)。チョコ自体のエネルギーを含めても8%低くなっています(P=0.01)。

ここで止めてはいけません。この試験の量は100gです。この記事で例示している高カカオチョコ5枚は25gで、試験量の4分の1にすぎません。製品も同じではありません。100gで17%減ったから25gでも減る、という当てはめ方はできません。

減量そのものについても、肥満のある成人を対象にしたカカオ・ダークチョコレートの研究をまとめたレビューは、疫学研究もヒト試験も結果が一貫しない、と書いています(Halib, Nutrients 2020)。理由として挙げられているのは、対象集団、カカオ製品の種類、介入量の違いです。

それでも高カカオを表に残しているのは、痩せるからではありません。1枚5.0gで28kcalと単位が小さく、量を決めやすいからです。Xでも「1片を食事前」「5粒ほど」と、あらかじめ分ける使い方をしている人が目立ちます。逆に多い不満は、カカオの割合が高いほど「思っていたチョコと違う」となって続かない、というものでした。%は高いほど良いのではなく、続けられるところを選ぶほうが理にかなっています。

いちばん多い失敗は「ヘルシーなのに満足せず、もう一個食べる」

低カロリーであることだけで選ぶと、満足しないぶんを本物で埋めて合計が増えます。

Xの投稿を集めて調べたところ、ダイエット中のおやつでいちばん繰り返されている失敗は、量でも時間帯でもありませんでした。ヘルシーだと思って置き換えたのに満足せず、結局そのあとで本物も食べてしまう、という流れです。

図解2:「ヘルシーだから」で選ぶと戻ってくるループ低カロリーだけで選ぶ満足しないもう一個・本物を追加するその日の合計が増えるXで最も繰り返し語られている失敗の型このループを断つ手は2つ1. たんぱく質10g前後を選ぶ160kcalでそろえた3種の間食を比べた試験で、たんぱく質14gのヨーグルトは次に食べ始めるまで約30分遅く、夕食が約100kcal少なかったOrtinau, Nutr J 2014(20人・クロスオーバー)2. 1回分を先に取り分ける袋のまま食べると量が決まらない。アーモンドなら25gで152kcal、高カカオなら5枚で140kcal。先に出しておく人が実際に多いX取材。効果を測った試験ではなく、行動の記録

置き換え品で満足せず、結局本物も食べて合計が増える

Xでは、我慢して置き換えたのに欲が満たされず、本物も食べたという後悔が繰り返し語られています。

典型は、本物のチョコを我慢して置き換え用のバーを買ったのに、甘いものを食べたい気持ちがまったく満たされず、結局そのあとで本物も食べた、という話です。同じ型の投稿が何度も再投稿されるくらいには、よくある失敗のようでした。

これを意志の弱さの問題にすると、次も同じことが起きます。先ほどのOrtinauの試験が示していたのは、同じ160kcalでも中身が違えば次に手が伸びるまでの時間が変わる、ということでした。満足しないおやつを選んだ時点で、2個目は設計上ほぼ決まっています。

袋のまま食べると、量が決まらない

「あと一枚がしぶとい」という失敗は量の設計の問題です。先に1回分を出す人が実際に多くいます。

次に多いのが量の失敗です。高カカオチョコ、ナッツ、するめのように「ヘルシー側」に分類されている商品ほど、袋を持ったまま食べて止まらなくなった、という話が出てきます。カロリーが低い商品ではなく、むしろ低カロリーだと思われている商品でこれが起きます。

対処として実際に採られているのは、袋ごと持たずに1回分を先に出しておく、というものでした。これは効果を測った試験があるわけではなく、Xで観察された行動です。ただ、この記事の表がすべて「1回分」で書いてあるのも同じ理由です。100gの数字を見ても、何個食べるかは決まりません。

ガムは食べる量ではなく、何に手が伸びるかが変わった

50人の試験で間食量の減少は有意ではありませんでしたが、炭水化物の菓子は有意に減りました。

肥満のある女性25人と非肥満の女性25人、計50人に、昼食後の3時間、毎時15分ずつガムを噛んでもらった試験があります(Park, Physiol Behav 2016)。空腹感、食べたい気持ち、これから食べられそうな量は、いずれも有意に抑えられました(p<0.05)。

ところが、そのあとの間食のエネルギーは約9.3%減ったものの、統計的に有意な差にはなりませんでした(p=0.08)。有意に減ったのは炭水化物の摂取量(p=0.03)と、高炭水化物・低脂肪の菓子の量(p=0.02)です。

読み方としては、ガムは「食べる量を減らす道具」ではなく「甘い菓子に手が伸びるのを減らす道具」に近い、ということになります。1粒約6kcalなので、枠をほとんど使わずに試せます。

Xで実際に採られている対処(時間帯別)

やめにくいのは夜が最も多く、次いで15時と在宅中。完全にやめず置き換える人が多数派でした。

ここは研究ではなく、Xで観察された行動の記録です。効果が確かめられた対策ではないので、そのつもりで読んでください。

場面語られていること実際に採られている対処
夜・深夜甘いものへの欲求が最も強い時間帯として最頻出高カカオチョコやゼリーに置き換える。1回分を先に取り分ける
15時前後「3時のおやつ」として意識されているするめ・ゆで卵・ヨーグルトなど噛む枠やたんぱく質枠へ振り替える
在宅・ストレス時手の届くところに菓子があると食べてしまう炭酸水を併用する。記録して可視化する
Grokで収集したXの投稿より(2026-08-18時点)。ヒットは記録・推奨系のアカウントが多く、失敗談は相対的に少ないという偏りがあります。件数の統計ではありません。

共通しているのは、完全にやめるのではなく置き換えて続ける人が多い、という点でした。生理前のように語られやすい場面もありますが、今回集めた範囲では明示的な言及は多くありません。朝食まで含めた1日の組み立てはダイエット中の朝ごはんは何を食べる?にまとめています。

よくある質問

Q. ダイエット中のおやつは1日何kcalまでですか?

A. 上限を決めた基準はありません。食事バランスガイドでは、お菓子と嗜好飲料をあわせて1日200kcal程度を目安としています。これは個人の上限ではなく目安なので、1日の総量のなかで先に枠を決める、という使い方をしてください。

Q. コンビニで買えるものだと、どれを選べばいいですか?

A. 目的で決まります。口寂しさならするめ・チーズ・ゆで卵、腹持ちならギリシャヨーグルトかプロテインバー、甘いものなら高カカオチョコか低糖質アイス、カロリー最小ならこんにゃくゼリーか氷菓です。どれも本文の比較表に1回分の数字を載せています。

Q. 高カカオチョコレートは何%を選べばいいですか?

A. 高いほど良い、という根拠はありません。減量効果の研究結果自体が一貫していないので、選ぶ基準は「続けられるか」で十分です。カカオの割合を上げすぎると味が合わずにやめてしまう、という声のほうが多くあります。

Q. こんにゃくゼリーやゼロカロリーゼリーだけで我慢するのはどうですか?

A. 1個26kcalという低さは強みですが、たんぱく質は0gで食物繊維も0.4gです。満足しないまま我慢すると、そのあとで別のものを食べて合計が増えます。甘いものが欲しい日は、最初から甘味枠から取るほうが結果的に少なく済むことがあります。

Q. するめやあたりめは毎日食べても大丈夫ですか?

A. カロリーの面では20gで61kcalと小さいですが、食塩相当量が100gあたり2.3gあります。20gで0.5gなので、1日1回なら大きな量ではありません。気になるのは袋ごと食べたときで、そこは他の食事の塩分と合わせて見てください。

Q. オオバコ(サイリウム)などの食物繊維サプリはおやつの代わりになりますか?

A. この記事は市販のおやつを選ぶ話なので扱いません。注意点として、グルコマンナンやサイリウムのようなサプリ用量で行われた研究の結果を、こんにゃくゼリーや市販のお菓子にそのまま当てはめることはできません。量の桁が違います。サプリそのものの話はダイエットサプリは効く?根拠の見方と失敗しない選び方にまとめています。

Q. おやつを完全にやめたほうが早く痩せますか?

A. その比較を直接した試験は見当たりません。分かっているのは、間食を別のものに置き換えるだけでは体重の差が確認されなかったこと(Brown 2023)と、置き換えて満足しないと結局追加してしまう人が多いことです。やめられるならやめてもよく、やめられないなら枠を決めて置き換えるほうが現実的です。

参考文献

  1. Brown RC, Ware L, Gray AR, Tey SL, Chisholm A. Comparing the Effects of Consuming Almonds or Biscuits on Body Weight in Habitual Snackers: A 1-Year Randomized Controlled Trial. Am J Clin Nutr. 2023. PubMed
  2. Brown R, Ware L, Gray AR, Chisholm A, Tey SL. Snacking on Almonds Lowers Glycaemia and Energy Intake Compared to a Popular High-Carbohydrate Snack Food: An Acute Randomised Crossover Study. Int J Environ Res Public Health. 2021. PubMed
  3. Ortinau LC, Hoertel HA, Douglas SM, Leidy HJ. Effects of high-protein vs. high-fat snacks on appetite control, satiety, and eating initiation in healthy women. Nutr J. 2014. PubMed
  4. Lasschuijt M, Camps G, Mars M, Siebelink E, de Graaf K, Bolhuis D. Speed limits: the effects of industrial food processing and food texture on daily energy intake and eating behaviour in healthy adults. Eur J Nutr. 2023. PubMed
  5. Miquel-Kergoat S, Azais-Braesco V, Burton-Freeman B, Hetherington MM. Effects of chewing on appetite, food intake and gut hormones: A systematic review and meta-analysis. Physiol Behav. 2015. PubMed
  6. Sørensen LB, Astrup A. Eating dark and milk chocolate: a randomized crossover study of effects on appetite and energy intake. Nutr Diabetes. 2011. PubMed
  7. Halib H, Ismail A, Mohd Yusof BN, Osakabe N, Mat Daud ZA. Effects of Cocoa Polyphenols and Dark Chocolate on Obese Adults: A Scoping Review. Nutrients. 2020. PubMed
  8. Park E, Edirisinghe I, Inui T, Kergoat S, Kelley M, Burton-Freeman B. Short-term effects of chewing gum on satiety and afternoon snack intake in healthy weight and obese women. Physiol Behav. 2016. PubMed
  9. Sullivan VK, Petersen KS, Kris-Etherton PM. Dried fruit consumption and cardiometabolic health: a randomised crossover trial. Br J Nutr. 2020. PubMed
  10. 野末みほ「お菓子や間食の取り入れ方」e-ヘルスネット(厚生労働省)/健康日本21アクション支援システム リンク
  11. 文部科学省 食品成分データベース(日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年) リンク
  12. 各メーカー公表値:株式会社明治「チョコレート効果カカオ72%」/株式会社マンナンライフ「蒟蒻畑 ぶどう味」/ダノンジャパン株式会社「ダノンオイコス プレーン加糖」/森永製菓株式会社「inバープロテイン ベイクドチョコ」「ラムネ」/赤城乳業株式会社「ガリガリ君ソーダ」/江崎グリコ株式会社「SUNAO バニラ」

この記事を書いた人

臨床ブロガー 臨床検査技師/18年・88kg→65kg

検査値を通して人の体を見てきました。論文を確認し、自分の実測とは分けて書いています。医師・管理栄養士ではなく、診断・治療・服薬の判断は行いません。

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この記事を書いた人

臨床検査技師。専門は生化学検査。健診センターのデータ業務、治験コーディネーター(CRC)、総合病院、公立病院の経営推進課を経て、現在はWEBマーケティングが本業。自身が20回のダイエット失敗のあと88kgから65kgへ。論文を読んで気になったものを自分の体で試し、体重・腹囲・血液検査・体組成という数値で確かめた記録を書いています。効くものは効くと、効かないものは効かないと書きます。広告主から記事内容の指定を受けることはありません。

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