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4つのプランの栄養基準と、実際にいくらかかるのか。継続割の解約条件と、向いていない人の条件まで、公式に出ている数字だけで並べました。

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血糖値を測るダイエットは効果ある?CGM・血糖測定器で分かることと2週間の検証法

木のテーブルに置かれた血糖測定器と朝食、腕にCGMセンサーをつけた人

血糖値を測るようにしたら、ダイエットって進むんですか?

測るだけでは進みません。ただし、自分がどの食事でどれくらい動くのかは、他人のデータでは代わりになりません。そこだけは測ってしか分かりません。

SNSでは「カレー300gを食べたら食前95が食後1時間で170まで上がった」「ドーナツより白米のほうが上がった」という投稿が並びます。私は臨床検査技師です。患者さんに指導する立場ではありませんが、その数字がどの機械で、どんな条件で出たのかを確かめるのは毎日やっている仕事です。血糖の話は、そこを押さえるかどうかで結論が変わります。

この記事でわかること
・持続血糖測定(CGM)を使った無作為化試験25本をまとめても、体重とBMIには有意な効果が出ていないこと
・それでも測る意味がある理由(同じ食事でも上がり方が人によって違う)
・CGM・指先の血糖測定器・体組成計が、それぞれ何を測っていて何を測っていないか
・ダイエット目的だといくらかかるのか(保険は原則使えません)
・数字を読む前に知っておく誤差(±15%、MARD、体組成計の相対誤差)
・センサー1個ぶん=2週間で終える検証のやり方と、測らないという選択肢

広告:この記事には広告(Amazonアソシエイト)を含みます。そのうえで、特定の機種をすすめることはしません。この記事は「血糖測定をダイエットに使う考え方を検証する」ものであって、糖尿病でない人に測定器の購入をすすめるものではありません。糖尿病の診断・治療は医療機関の検査によります。

目次

結論|測るだけでは痩せない。それでも「自分の反応」だけは測らないと分からない

血糖値を測るだけで体重は落ちません。測った結果を食事と運動の見直しに使って、はじめて意味が出ます。

ここを取り違えたまま買うと、2週間ぶんの費用を払って「白米で上がることが分かった」だけで終わります。先に、期待してよいことと、してはいけないことを分けておきます。

知りたいこと向いている道具分かること分からないこと
この食事で自分の血糖はどう動くのかCGM(リブレなど)1日中の推移。食後の山の高さと戻り方その山が将来の体重や病気にどう効くか
空腹時の値を定点で知りたい指先の血糖測定器その瞬間の毛細血管血の値測っていない時間帯の動き
体脂肪が減っているか体重計・体組成計+ウエスト同じ機種・同じ条件で測ったときの推移体脂肪率の正確な絶対値
糖尿病かどうか医療機関の検査診断に使える値(空腹時血糖・HbA1c・75gOGTT)—(家庭用の機器では判断しません)
表1:目的別に見た、向いている道具と限界

試験25本をまとめても、体重とBMIには有意な効果が出ていない

CGMのフィードバックを使った無作為化試験のメタ解析では、体重とBMIに有意な差は出ていません。

25試験・2,996人を統合した解析(Richardson KM, Int J Behav Nutr Phys Act 2024)では、CGMのフィードバックを受けた群でHbA1cが0.28%低下し(95%信頼区間 0.15〜0.42、p<0.001)、目標範囲内の時間が7.4ポイント増えました(同 2.0〜12.8、p<0.008)。一方でBMIと体重には有意な効果が出ていません。

ただし、この数字をそのまま自分に当てはめる前に、対象者を見る必要があります。25試験のうち68%(17本)は2型糖尿病の人が対象で、肥満を対象にしたのは3本だけです。健康な非糖尿病者の減量効果を直接検証したメタ解析ではありません。さらに25本のうち11本(44%)がCGM関連の利益相反を申告しています。食事の変化を評価したのは4本、身体活動は5本にとどまります。

言えるのは「食後血糖の山を小さくすること自体が、独立して体重を減らすとは確立していない」までです。「効果がないと証明された」でもありません。

それでも測る理由|同じ食事でも、上がり方は人によって違う

同じものを食べても血糖の上がり方は人ごとに違い、その差は食品の側からは予測しきれません。

800人に1週間の連続測定を行い、46,898回の食事への反応を集めた研究(Zeevi D, Cell 2015)は、同一の食事に対する反応のばらつきが大きく、万人向けの食事指導は有用性が限られると結論しています。この研究では、血液指標・食習慣・体格・身体活動・腸内細菌を統合した予測にもとづく介入で、食後血糖が有意に下がりました。

英国で双生児を含む1,002人を調べたPREDICT 1(Berry SE, Nat Med 2020)でも、同じ食事に対する個人間のばらつきは血糖で68%、インスリンで59%、中性脂肪で103%ありました。食後血糖では食事の三大栄養素の寄与が15.4%、個人側の要因が6.0%、遺伝子多型が9.5%です。遺伝子が同じ一卵性双生児でも同じにはなりません。

つまり「白米は上がる」「そばなら大丈夫」という一般論は、自分に当てはまるかどうかが分かりません。ここだけは、測ると分かります。カロリー制限では痩せない理由でも触れたとおり、平均の話と自分の話は別です。

CGM・指先の血糖測定器・体組成計は、それぞれ何を測っているのか

3つは測っている対象そのものが違います。CGMは皮下の間質液、指先は血液、体組成計は電気抵抗です。

指先の測定器とCGMは、そもそも別のものを測っている食事30分60分120分血糖— 血液の血糖(実際の動き)– – CGMのセンサーグルコース(間質液)● 指先で測った点上がるときは間質液が遅れる指先は「その瞬間の点」しか取れないので、測っていない時刻の山は見えません。CGMは線で見えますが、測っているのは血液そのものではありません。※図は動きの向きを示す模式図です。実際の遅れ方は人・機種・場面で変わります。
図1:指先の測定器(点)とCGM(線)の違い
 CGM(リブレなど)指先の血糖測定器体組成計
測っているもの皮下の間質液のグルコース毛細血管血のグルコース体に流した微弱な電流の抵抗
測る頻度数分ごとに自動自分で刺したときだけ乗ったときだけ
使える期間センサー1個で14日間本体は数年、消耗品を買い足す数年
強み食後の山と戻りが線で見える安い。空腹時の定点観測に向く毎日ゼロ円で続く
弱み費用。血液そのものではない山の頂点を外すと気づけない体脂肪率の絶対値は当てにならない
表2:3つの道具の役割分担

CGMの値と指先の値が違うのはなぜか

測っている場所が違うからです。CGMは血液ではなく、皮下の間質液のグルコースを見ています。

グルコースは血液から毛細血管の壁を通って間質液へ移ります。そのため血糖が急に上がる場面では間質液が遅れて追いつき、急に下がる場面では逆に高めに残ります。食後すぐや運動の直後に「指先とCGMで数十mg/dL違う」というのは、故障ではなくこの仕組みで起きます。

ですから2つの数字を並べて「どちらが正しいか」を決める必要はありません。CGMは推移を見る道具、指先は定点を見る道具として、混ぜずに使い分けるほうが実際的です。

どちらを買えばいいか|「食後の山を見たいか」で決まる

食事ごとの山と戻り方を見たいならCGM、空腹時を定点で追いたいなら指先の測定器です。

ダイエットで知りたいのは「何を食べたときに、どれくらい上がって、どれくらいで戻るか」です。これは線でしか見えないので、目的に合うのはCGMのほうです。ただし費用は指先の測定器のほうが安く済みます。指先で山を捉えるには食前・食後60分・食後120分のように1回の食事で3回刺す必要があり、そのぶん消耗品が減ります。

いくらかかるのか|ダイエット目的は原則、自費です

健康な人がダイエットのために自分で買う場合、公的医療保険は使えません。全額自己負担です。

保険が使えるのはどんなときか

保険が関わるのは糖尿病の治療としてで、条件を満たした場合に適用されます。

血糖自己測定器加算の対象になるのは、インスリン製剤・GLP-1受容体作動薬・GIP/GLP-1受容体作動薬といった血糖を下げる注射薬を使っている人と、妊娠中の糖尿病の一部です(国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター)。持続血糖測定についても、糖尿病の治療のなかで条件を満たす場合に保険の枠組みがあり、2024年4月からは選定療養の枠が広がりました。

いずれにしても、この記事が想定している「糖尿病ではない人が、ダイエットのために自分で買う」使い方は保険診療ではありません。ここだけ押さえておけば足ります。

2週間ぶんで、だいたいいくらか

CGMのセンサーは1個(14日間)で8,000〜9,000円前後の販売例があります。指先はもっと安く始められます。

道具最初にかかるもの続けるとかかるものダイエット目的の保険
CGM(リブレなど)センサー1個で8,000〜9,000円前後(14日間)14日ごとにセンサー1個使えない(自費)
指先の血糖測定器本体+センサー(試験紙)+穿刺針のセットセンサーと針は1回測るごとに1枚・1本使えない(自費)
体組成計本体のみ電池のみ。ただし買い替えると推移が切れる
表3:費用の考え方(価格は2026年8月時点の通販の販売例。改定されます)

指先の測定器で気をつけるのは、安いのは本体だけということです。1回測るごとにセンサー(試験紙)1枚と穿刺針1本を使うので、1日4回測れば1か月で120回ぶんが要ります。測る回数がそのまま費用になります。

SNSでも「保険がきかないから1つ7,000円して2週間は、高いよね」「境界型だから自費でそこそこ高価だった」という声が並びます。これは価格の根拠ではなく体感としての高さですが、始める前に見ておく価値はあります。

処方箋なしで買えますが、買えることと使ってよいことは別です

血糖自己測定器も穿刺器具もセンサーも、処方箋なしで薬局や通販で購入できます。

医療機器ではありますが市販が認められており、CGMも通販やドラッグストア系のオンラインストアで買えます。ただし手に入ることは、自己判断で使ってよいことを意味しません。低血糖の症状がある人、妊娠中の人、糖尿病の治療中の人、血糖に影響する薬を使っている人は、測る前に主治医に相談してください。

「血糖値スパイクを潰せば痩せる」は、どこまで本当か

食後の山を小さくすれば痩せる、という因果は確かめられていません。逆向きの試験結果もあります。

入院試験では、血糖負荷が高いほうが食べた量は少なかった

糖質が多く血糖の上がりやすい食事のほうが、1日あたり689kcal少なく食べたという結果が出ています。

米国国立衛生研究所の臨床センターに入院した20人(29.9±1.4歳、BMI 27.8±1.3)が、植物性・低脂肪食(脂質10.3%/糖質75.2%、グリセミック負荷85g/1,000kcal)動物性・ケトン食(脂質75.8%/糖質10.0%、同6g/1,000kcal)を2週間ずつ好きなだけ食べた試験です(Hall KD, Nat Med 2021)。

血糖が上がりやすいほうが、食べた量は少なかった(Hall 2021・20人・入院)低脂肪・高糖質の食事脂質10.3%/糖質75.2%グリセミック負荷 85g/1,000kcalケトン・低糖質の食事脂質75.8%/糖質10.0%グリセミック負荷 6g/1,000kcal左のほうが 1日 689±73 kcal 少なく食べたP<0.0001(最終週でも544±68kcal少ない)。体重減少は両群で同等、空腹感にも差なし出典:Hall KD, et al. Nat Med. 2021;27:344-353. 20人が2週間ずつ自由に食べた入院試験です。
図2:血糖負荷が高いほうが摂取カロリーは少なかった(Hall 2021)

結果は低脂肪食のほうが1日689±73kcal少ない摂取(P<0.0001、最終週でも544±68kcal少ない)。体重減少は両群で同等で、空腹感にも差はありませんでした。「糖質でインスリンが出るから食べすぎて太る」という筋書きとは逆の向きです。ただし20人・2週間ずつの短期入院試験で、日常生活での長期の話に直接は伸ばせません。

インスリンが出やすい人に糖質制限が効く、も支持されていない

インスリンの出方で最適な食事を選び分けられる、という仮説は12か月の試験で否定されました。

糖尿病ではないBMI 28〜40の成人609人を、健康的な低脂肪食(305人)と健康的な低糖質食(304人)に無作為に割りつけたDIETFITS試験(Gardner CD, JAMA 2018)です。12か月後の体重変化は低脂肪−5.3kg、低糖質−6.0kg(群間差0.7kg、95%信頼区間 −0.2〜1.6)で有意差なし。ブドウ糖負荷30分後のインスリン値との交互作用はP=.47、遺伝子型パターンとの交互作用はP=.20でした。

糖尿病でない人でも、1日30分は140mg/dLを超えています

健常者の測定でも、140mg/dLを超えている時間は1日あたり中央値30分ありました。

指標健常者153人の測定値
平均血糖98〜99mg/dL(60歳超のみ104mg/dL)
70〜140mg/dLに入っていた時間中央値96%(四分位範囲 93〜98)
140mg/dLを超えていた時間中央値2.1%=1日およそ30分
70mg/dL未満だった時間中央値1.1%=1日およそ15分
個人内の変動係数17±3%
表4:糖尿病でない人のCGM測定値(Shah VN, J Clin Endocrinol Metab 2019。7〜80歳・非肥満・最大10日間)

この表の使い方には注意が要ります。「170でも正常」「一時的なら何を食べても問題ない」という意味ではありません。言えるのは「1回140を超えたことだけを取り上げて異常と決めない」までです。CGMをつけると誰でも140超えを何度か見ることになる、という前提を知らずに数字を読むと、正常な反応を病気のように受け取ります。

食後に170や180が出たら、どうすればいいのか

1回の値では何も決まりません。同じ条件で繰り返し高いなら、医療機関で調べる場面です。

家庭用の機器は診断の道具ではありません。まず同じ食事・同じ時刻で2〜3回くり返して再現するかを見ます。そのうえで、繰り返し高い、あるいはのどが渇く・尿が増えた・理由のない体重減少といった症状があるなら、家で測り続けるのではなく受診してください。診断に使えるのは医療機関の空腹時血糖・HbA1c・75g経口ブドウ糖負荷試験です。

それでも差が出た試験を、条件つきで読む

CGMを足した群のほうが体重が減った試験は実在します。ただし、どれも条件つきです。

低GI食の教育に、CGMを足すと差が出た

栄養教育だけの群より、教育にCGMを足した群のほうが体重・BMI・体脂肪量が改善しました。

過体重の若年成人40人(26.4±5.3歳、BMI 29.4±4.7)を8週間追った無作為化比較試験(Chekima K, Foods 2022)です。両群とも低GI・低グリセミック負荷の栄養教育を受け、介入群だけがリアルタイムCGMを装着しました。身体活動とGIの知識を調整したうえで、介入群で体重・BMI・体脂肪量・空腹時血糖・HbA1c・総コレステロール・HDL・LDLが有意に改善しています(p<0.05)。CGM単独ではなく、食事介入に足した形です。

運動と食事指導にisCGMを足した、35人の最新試験

装着回数の多い群で12週間に5.5kg減り、対照群は0.2kgしか減りませんでした。

過体重・肥満の女性35人を対象にした12週間の試験(Gradiser M, Diabetes Technol Ther 2026)です。介入群17人は開始時・中間・終了時にisCGMを装着し、対照群18人は開始時と終了時のみ。両群とも週3回の監督下の運動と、同じ食事指導を受けています。結果は体重−5.5±2.3kg 対 −0.2±1.8kg(P<0.001)、BMI −1.9±0.6 対 −0.1±0.4(P<0.001)。BMIと体脂肪がともに3%以上減った人は介入群35%、対照群0%でした。

これは「CGMで5.5kg痩せた」試験ではありません。35人・女性のみ・12週間の小規模試験で、しかも同じ運動と食事指導を受けた対照群が0.2kgしか減っていません。群間差が大きすぎることのほうがむしろ、再現を待つ理由になります。

著者らは説明のひとつとして食事指導の遵守が改善したことを挙げています。ここから言えるのは「CGMそのものが脂肪を減らした」ではなく、測定結果を食事や運動の行動変容につなげた可能性があるまでです。CGMを見れば痩せる、という因果は確かめられていません。

誤差を知らずに数字を読まない|ここがこの記事の本題です

家庭用の機器の数字には、規格として認められた幅があります。それを知らないと読み間違えます。

機器ものさし幅の目安減らすためにできること
指先の血糖測定器ISO 15197:2013基準法100mg/dL以上なら測定値の95%以上が±15%以内(100未満は±15mg/dL以内)手を洗って乾かす。同じ機種・同じロットで比べる
CGMMARD(基準値との平均的な差)入院環境の報告で10〜19%装着直後の値を過信しない。急変時は指先で確かめる
体組成計(BIA)4成分モデルとの系統誤差相対誤差 −3.5〜+11.7%(%ポイントではありません)同じ機種で、同じ時刻・同じ条件で測る
体組成計(条件差)飲水の影響段階的に飲水量を増やすと推定値が変化。約830mLでは1%未満という別の結果もあり起床直後・排尿後に固定する
表5:家庭用機器の誤差と、その減らし方

指先の測定器の規格=ISO 15197:2013の読み方

基準法で160mg/dLだった試料について、測定値の95%以上が136〜184mg/dLに収まることが求められます。

この規格は、血糖100mg/dL未満では基準法の±15mg/dL以内、100mg/dL以上では±15%以内に、95%の測定値が入ることを最低条件にしています。加えて99%が誤差グリッドのA・Bゾーン内であることも求められます。

向きを取り違えないでください。「測定器に160と表示されたから、本当の値は136〜184のどこか」という意味ではありません。規格が保証しているのは真値ごとの測定値の散らばりであって、1回の表示値についての信頼区間ではありません。

実務的な結論はひとつです。「昨日は155、今日は148だから改善した」とは読めません。この幅の中に収まる差は、体の変化ではなく測定のばらつきかもしれない、と考えておきます。

一部の測定器では、低ヘマトクリットが誤差の原因になります

赤血球の割合が低いと、機種によっては血糖値が高い方向にずれることが知られています。

ヘマトクリットが35%未満のとき、一部の機種で高値方向への偏りが出ます。ただし影響の大きさは機種でかなり違い、「貧血なら必ず高く出る」わけではありません(Ramljak S, J Diabetes Sci Technol 2013)。安定していた機種では偏りが3〜7%にとどまっています。

もうひとつ、酵素の種類による干渉があります。静脈からビタミンC(アスコルビン酸)を投与した患者で血糖が偽高値になった報告があり、グルコースオキシダーゼ(GOD)法の試験紙で干渉が観察され、GDH-FAD法が代替として推奨されました(Diabetes Care 2014;37:e93)。健診で貧血を指摘されている人、サプリメントで高用量のビタミンCを摂っている人は、この可能性を頭に置いておくと数字に振り回されずに済みます。

CGMのMARDと、ISO 15197は別のものさしです

ISO 15197は指先の測定器の性能基準、MARDはCGMと基準値の差を平均した指標です。

集中治療下で157対を比較した研究では、CGMのMARDは10.43%、毛細血管血糖は7.58%で有意差はありませんでした(p=0.14)。ただしこの研究では両者ともISO 15197:2013の数値基準を満たしていません(Aguilar-Schotborgh M, Clin Med Insights Endocrinol Diabetes 2026)。内科系の準集中治療室での実地評価ではMARD 18.62±11.87%、15%/15mg/dL以内に入ったのは46.14%で、誤差グリッドではA+Bゾーンが99.03%でした(Urbano Ferreira H, Cureus 2026)。

どちらも入院患者の研究です。健康な人が自宅で使う条件とは違うので、そのまま自分の精度として受け取ることはできません。ここで言えるのは「入院環境ではMARD 10〜19%という報告がある」までで、血糖の数字は小数点以下を比べるようなものではないという感覚を持てば十分です。

体組成計は「絶対値」ではなく「推移」の道具です

機種による系統誤差は相対で−3.5〜+11.7%ある一方、推移を追ったときの誤差は小さくなります。

15機種を4成分モデルと比べた研究(Siedler MR, Br J Nutr 2022。73人・縦断解析37人)では、系統誤差は相対で−3.5〜+11.7%でした。これは「体脂肪率が11.7ポイントずれる」という意味ではなく、推定値に対する相対的なずれです。一方で縦断(変化を追ったとき)の系統誤差は−0.4〜+1.3%にとどまり、60%の機器が基準法と統計的に同等でした。

「家では17%なのに健診では23%だった」という食い違いは、この系統誤差で説明がつく範囲です。どちらが正しいかを決めるより、同じ機械の数字だけを並べるほうが実際的です。飲水の影響も同じで、飲水量を段階的に増やすとBIAの推定値が変化した研究(Ugras S, Libyan J Med 2020。140人・両足式)がある一方、約830mLでは変動が1%未満だった研究(Schierbauer J, Metabolites 2023。18人)もあります。結果が一致しないからこそ、条件を固定するという結論になります。くわしくは体重が減ったのに体脂肪率が増える理由にまとめています。

2週間の検証手順|センサー1個ぶんで終わらせます

1週目は何も変えずに記録し、2週目は山が高かった食事だけ条件を変えて確かめます。

この2週間は当サイトの検証プロトコルであって、医学的に最適だと証明された期間ではありません。14日間使えるCGMセンサー1個で完結すること、そして測ること自体が目的にならないことを狙って区切っています。

期間やること記録する項目
前日測る食事・測る時刻・記録の場所を決める
1〜7日目いつもどおり食べる。何も変えない食べたもの/食前・食後60分・120分の値/体重(起床直後)
7日目1週間を見返して、山が高かった食事を2つ選ぶ体重の7日平均
8〜14日目選んだ2食だけ、条件をひとつ変えて食べ直す同上+変えた条件
14日目センサーを外す。変えて再現した条件だけ残す体重の7日平均を1週目と比べる
表6:2週間の検証プロトコル

測るタイミング|食前と、食後60分・120分

食前を基準にして、食後60分と120分を測ると、山の高さと戻り方の両方が分かります。

食後の山は多くの場合30〜60分あたりに来ますが、何を食べたかで来る時刻が動きます。脂質やたんぱく質が多い食事では遅れます。指先で測るなら食前・60分・120分の3点が最小限で、120分で食前近くまで戻っているかどうかが、山の高さと同じくらい情報になります。CGMなら線で見えるので、この3点を意識する必要はありません。

1日に何回測るか|指先なら1日2〜4回で足ります

すべての食事を測る必要はありません。朝の空腹時と、検証したい1食だけに絞れば足ります。

朝の空腹時に1回と、検証したい1食に3回。これで1日4回です。測る回数はそのまま消耗品の費用と、指先の痛みになります。毎食すべてを測ろうとすると2週間もたないので、最初から「昼だけ」「夜だけ」と決めておくほうが続きます。

体重と体組成は、毎朝同じ条件で測って1週間平均で見る

起床直後・排尿後・裸足・素肌で測り、1日の値ではなく7日ぶんの平均を比べます。

前の章のとおり、体組成計は絶対値ではなく推移の道具です。1週目と2週目の7日平均どうしを比べるのが、日々の揺れに振り回されない一番簡単な方法です(これは医学的な閾値ではなく、揺れをならして傾向を見るための実務的なやり方です)。ウエストとベルトの穴も同時に見ておくと、数字が動かないときの手がかりになります。

CGMはその日の変化、HbA1cは数か月単位の平均を見る

2つは見ている時間の幅が違うので、2週間の検証でHbA1cは動きません。

血糖値は食事や運動で、その日・その時間単位で動きます。一方HbA1cは過去1〜2か月を強く反映しつつ、おおむね2〜3か月の平均血糖を表す指標です。2週間の検証で確かめられるのは前者だけで、健診の数字に反映されるのはずっと先です。時間軸の話はダイエットで血液検査の数値はいつ動くかにまとめました。

数字が動いたときに試す3つ

山が高かった食事に対して、順番・食後の過ごし方・量の3つを、ひとつずつ変えて確かめます。

変えることやり方根拠の強さ
順番主食(ごはん・パン・麺)を最後にまわす健常な日本人でCGMを使って再現(Kurotobi 2025)。2型糖尿病でも同様(Imai 2013)
食後の過ごし方座り続けず、短い軽い歩行で区切る7試験のメタ解析で有意に低下。ただし効果量であってmg/dLではない(Buffey 2022)
主食の量だけを減らし、おかずは変えない個人差が大きいので、自分の測定で確かめる領域
表7:試す順番と、その根拠の強さ

主食を最後にまわす

ごはん以外を先に食べると、食後血糖の平均が有意に低くなることが健常者で確かめられています。

健康な日本人を対象に、和定食と牛丼で「ごはん以外→ごはん」「同時」「ごはん→ごはん以外」の3通りを試し、CGMで4時間追った研究(Kurotobi Y, Nutrients 2025)では、ごはん以外を先に食べた条件で食後血糖の平均が有意に低下しました。牛丼でも15分先行させたほうが有利でした。2型糖尿病と正常耐糖能の両方でCGMを使った先行研究(Imai S, Diabet Med 2013)と同じ向きです。3つのうち、いちばん費用ゼロで試せます。

食後の座りっぱなしを、短い軽歩行で中断する

座り続ける場合と比べ、短い軽い歩行を挟むと食後血糖もインスリンも有意に下がります。

長時間の座位を立位または低強度の歩行で細切れに中断した7試験のメタ解析(Buffey AJ, Sports Med 2022)では、低強度歩行で食後血糖が標準化効果量−0.72(95%信頼区間 −1.03〜−0.41、p<0.001)、インスリンが−0.83(同 −1.18〜−0.48、p<0.001)と有意に低下しました。立位でも血糖は下がりますが(−0.31、p<0.04)、インスリンには有意な差が出ず、歩行は立位より優れていました(血糖 −0.30、p<0.009)。

この−0.72はmg/dLではなく、研究間で単位をそろえるための効果量です。したがって「10mg/dL下がる」とは換算できません。分かるのは向きと確からしさで、自分の下がり幅は自分の測定でしか出せません。

主食の量だけを変える

おかずはそのままにして、主食の量だけを減らし、同じ食事をもう一度測って比べます。

一度に2つ以上を変えると、どちらが効いたのか分からなくなります。順番を試して足りなければ量、という順で進めます。量そのものの考え方は糖質は一日何グラムまでかに、早食いの影響は卵かけご飯は太るのかにまとめています。

測らないという選択肢もあります

まず体重と食事の記録だけを2週間つけて、それで説明がつくなら測る必要はありません。

体重が思うように減らない理由の多くは、血糖の山ではなく1日の合計量で説明がつきます。記録をつけただけで週末の食事が見えてくることも珍しくありません。費用はゼロで、失うものもありません。

測定器が向いているのは、記録をつけても原因が分からない人です。「同じカロリーのはずなのに、この食事のあとだけ調子が違う」「食後に強い眠気が来る食事がある」といった、記録だけでは追い切れない疑問を持っている場合に、線で見えることの価値が出ます。「何を期待して買うのか」がここではっきりしていれば、買っても後悔しません。

やめどきと、やってはいけないこと

2週間で外します。測ることが目的になり始めたら、それより早く外して構いません。

SNSには「血糖値を測るとだんだん神経質になるので先生に相談した」という声が実際にあります。数字を追うほど食事が細くなっていく、食べる前に不安が来る、という状態になっているなら、それは測定が役に立っていない合図です。

測る前に必ず読んでほしいこと
家庭用の機器で糖尿病や耐糖能異常を診断しません。診断は医療機関の検査です
・高い値が繰り返す、のどが渇く、尿が増える、理由のない体重減少があるときは受診してください
・症状と測定値が一致しないときは、測定値だけで判断しないでください
・センサーの装着部にかぶれ・発赤・出血・感染が出たら、すぐに外してください
摂食障害の既往がある人、食事への不安が強い人は、自分で数値を追い続けることを慎重に判断してください
・測定値を理由に、極端な糖質制限をしないでください
・妊娠中の人、糖尿病の治療中の人、血糖に影響する薬を使っている人は、自己流で食事を変えないでください
・CGMが示すセンサーグルコースは、静脈血糖や毛細血管血糖と同じ値ではありません

買う前に確認しておくこと

順位はつけません。目的・費用・続けられるかの3つを、買う前に自分で確かめてください。

CGMなら「センサー1個=14日でいくらか」「2週間で終えるのか、続けるのか」。指先の測定器なら「本体ではなくセンサーと穿刺針が1回いくらか」「1日何回測るのか」。体組成計なら「機能の数」よりも同じ機種で測り続けられるかです。買い替えるとそれまでの推移が使えなくなります。

※以下のリンクにはアフィリエイト広告を含みます。特定の機種をすすめるものではなく、上の3つの基準で自分に合うものを探すための入口として置いています。

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まとめ

血糖値を測るだけでは痩せません。測った結果を食事と運動に使うために、2週間だけ測ります。

この記事の結論
・CGMの試験25本・2,996人を統合しても、体重とBMIに有意な効果は出ていません(対象の68%は2型糖尿病)
・それでも測る価値があるのは、同じ食事への反応が人ごとに違い、そこだけは他人のデータで代用できないからです
・数字には幅があります(指先は±15%、CGMのMARDは入院環境で10〜19%、体組成計は相対で−3.5〜+11.7%)
1週目は変えずに記録、2週目は山が高かった食事だけ条件を変える。14日で外す
・試す順番は「主食を最後」→「食後に座り続けない」→「主食の量」
・記録だけで説明がつくなら、測らないという選択肢が一番安く済みます

よくある質問

Q. 糖尿病ではないのに血糖値を測ってもいいですか。

A. 測ること自体は禁じられていませんが、診断や治療の判断には使えません。この記事の使い方は「自分がどの食事で動くかを2週間だけ確かめる」ことに限っています。症状がある場合は、測るより先に受診してください。

Q. リブレなどのCGMは処方箋なしで買えますか。保険は使えますか。

A. 処方箋なしで通販やドラッグストア系のオンラインストアで購入できます。ただしダイエット目的の自己購入は保険診療ではありません。保険が関わるのは糖尿病の治療として条件を満たす場合です。

Q. 血糖値はいつ測ればいいですか。食後何分ですか。

A. 指先で測るなら食前・食後60分・食後120分の3点が最小限です。山は多くの場合30〜60分に来ますが、脂質やたんぱく質が多い食事では遅れます。120分で食前近くまで戻っているかどうかも同じくらい情報になります。

Q. 1日に何回測ればいいですか。

A. 朝の空腹時1回と、検証したい1食に3回で1日4回。これで足ります。回数はそのまま消耗品の費用と指先の痛みになるので、毎食測ろうとしないほうが続きます。

Q. CGMの値と指先で測った値が違います。どちらが本当ですか。

A. どちらも壊れていません。CGMは皮下の間質液、指先は血液を測っています。血糖が急に動く場面では間質液が遅れるので差が出ます。推移はCGM、定点は指先、と使い分けて、2つを直接比べないほうが混乱しません。

Q. 食後に170や180が出ました。糖尿病でしょうか。

A. 1回の値では判断できません。糖尿病でない153人の測定でも、140mg/dLを超えている時間は1日およそ30分ありました。まず同じ条件で再現するかを見て、繰り返し高い場合や、のどの渇き・尿量の増加・原因不明の体重減少があるときは受診してください。

Q. 何日測れば十分ですか。ずっと測り続けたほうがいいですか。

A. この記事ではセンサー1個ぶんの14日を提案しています。医学的に最適と決まった期間ではなく、測ることが目的化しないための区切りです。数字を追うほど食事が細くなる、食べる前に不安が来る、という状態なら早めに外してください。

Q. 家の体組成計の体脂肪率が健診と6ポイント違います。どちらが正しいですか。

A. 決める必要はありません。家庭用の機種は基準法に対して相対で−3.5〜+11.7%の系統誤差が報告されています。一方で変化を追ったときの誤差は小さいので、同じ機械の数字だけを並べて推移を見るほうが役に立ちます。

参考文献

この記事の主張には、次の論文と公的機関の資料をひとつずつ対応させています。

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  18. 国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「血糖自己測定について」 リンク

価格や保険の取り扱いは2026年8月時点の情報です。制度も販売価格も改定されます。購入前に必ず販売元と、必要なら医療機関で最新の情報を確認してください。この記事は糖尿病の診断・治療に代わるものではありません。

この記事を書いた人

臨床ブロガー 臨床検査技師/18年・88kg→65kg

検査値を通して人の体を見てきました。論文を確認し、自分の実測とは分けて書いています。医師・管理栄養士ではなく、診断・治療・服薬の判断は行いません。

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