冷凍の宅配弁当に替えたら、ダイエットって本当にうまくいくんですか?
試験では体重が減っています。ただし減った理由は「冷凍だから」でも「宅配だから」でもありません。食べる量が、届いた時点で決まっていたからです。
私は臨床検査技師です。減量治療の専門家ではありません。ただ、その数字がどういう条件で出たのかを確かめることは毎日やっています。宅配弁当の話は、そこを押さえるだけでかなり見通しがよくなります。
・冷凍の調理済み弁当を配った試験では、12週間で体重8.6%減(自分で選んだ群は6.0%減)
・ただし食べ物を配らなくても、献立表と買い物リストを渡すだけで同じ結果だった試験があります
・選ぶときに見るのは①エネルギー ②送料込みでやめられるか ③目的に合う栄養条件が数値で出ているかの3つです
この記事でわかること
・冷凍宅配弁当4社の公式数値を、同じ条件で並べた比較表
・安さ・低カロリー・高たんぱく・糖質制限、それぞれで見るべき数字
・「冷凍弁当で痩せた」試験がどこまでのことを示しているのか(直接の証拠と、そうでないもの)
・送料を入れた1食あたりの実額と、やめたいときにやめられるかの契約条件
・冷凍弁当に替えたのに減らないときに、何が起きているか
広告:この記事には広告を含みます。当サイトはマッスルデリとアフィリエイト提携しており、紹介ページ経由で申し込みがあった場合に報酬を受け取ることがあります。そのうえで、比較に使う数値はすべて各社の公式サイトから2026年8月12日時点で取得し、同じ条件で並べています。当サイトはいずれのサービスも実食していないため、味の評価はしません。
結論|体重が減ったのは「冷凍だから」ではなく、食べる量が決まっていたからです
冷凍宅配弁当は、痩せる食品ではありません。1食あたりの量と中身を、食べる前に決めてしまうための道具です。
この記事でいちばん重要な試験を先に出します。過体重・肥満の成人183人を12週間追った無作為化比較試験で、昼食と夕食にあらかじめ分量が決められた冷凍の調理済みメインを配った群は体重が8.6%減り、同じ行動療法を受けながら自分で食事を選んだ群は6.0%減でした(Rock, Obesity 2016)。体脂肪の減少も5.7kg対4.4kgで、配った群のほうが大きくなっています。
ここで多くの記事が「だから冷凍宅配弁当は痩せる」と書きます。でも同じ試験には、そう単純ではないことを示す結果がもう一つあります。たんぱく質を多めにした弁当を配った群は7.8%減で、通常の弁当を配った群(8.6%)を上回っていません。高たんぱくにすればさらに減る、とはこの試験では言えませんでした。
効いているのは中身の特別さではなく、「何をどれだけ食べるか」を毎回決めなくてよくなることのほうです。
この見方に立つと、選び方も変わります。「どれがいちばん痩せるか」ではなく、「決まった量を、続けられる金額と手間で、自分の目的に合った中身で用意できるか」で選ぶことになります。まず4社を同じ条件で並べます。
冷凍宅配弁当4社を、同じ条件で並べます
順位はつけません。各社が公式に出している数値だけを、同じ枠に入れて並べます。判断はそのあとです。
ダイエット目的で名前が挙がることの多い4社です。価格はすべて税込に揃え、商品代(送料別)で並べました。空欄ではなく「公式に記載を確認できず」と書いてあるところは、こちらが見つけられなかったのではなく、公式サイトの表示だけでは確定できなかったという意味です。
| 項目 | マッスルデリ | nosh(ナッシュ) | 三ツ星ファーム | 筋肉食堂DELI |
|---|---|---|---|---|
| 1食のエネルギー基準 | LEAN 350〜450kcal/MAINTAIN 450〜550/GAIN 550〜750/LOW CARB 350以上 | 基準の記載なし | 350kcal以下 | 基準の記載なし(メニュー個別) |
| たんぱく質の下限 | 30g/35g/50g/20g以上(プラン別) | 下限の記載なし | 15g以上 | メニュー個別に表示(例35.3〜55.2g) |
| 糖質 | 35g/55g/75g/15g以下(プラン別) | 30g以下 | 25g以下 | ローカーボコースあり(数値の記載なし) |
| 1食の価格(税込・送料別) | LEAN 15食で998円(定期通常・2回目以降) | 6食719円/8食644円/10食620円/12食612円 | 7食926円/14食819円/21食710円 | ベーシック897円〜/ローカーボ869円〜/バルクアップ1,247円〜(税抜表示を1.08倍で換算) |
| 送料 | 5食1,100円/10〜15食1,320円/北海道・沖縄1,430円〜 | 地域別。関東で6食1,166円/8〜12食1,386円 | 金額の記載を確認できず(14食・21食は初回送料無料) | 金額の記載を確認できず |
| 最小の注文数 | 5食 | 6食 | 7食 | コースによる |
| 解約の条件 | 定期通常は縛りなし。継続割は6回1セットで、6回未満の解約は違約金(直近1回分)。解約は配達日の5日前まで | 継続回数の制限・解約金なしと表示 | 公式サイトの表示だけでは確認できず | 公式サイトの表示だけでは確認できず |
| 容器の寸法 | 縦20×横15×高さ4.5cm | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
この表を作って最初に気づくのは、4社が公開している項目がそもそも揃っていないということです。エネルギーの上限を出しているところ、たんぱく質の下限を出しているところ、糖質だけを出しているところがあります。「どこがいちばん優れているか」の前に、自分が気にしている数字を出しているのはどこか、という見方をしたほうが早いです。
安く続けたいなら|商品代ではなく送料込みの1食単価で見ます
表示されている1食の価格は、ほぼすべて送料抜きです。送料を足して食数で割ると、順番が変わることがあります。
送料の金額を公式に出しているのは4社中2社でした。その2社について、同じ計算式(商品代+送料÷食数)で出したのが次の表です。地域で変わるサービスは関東を基準にしています。
| サービス・条件 | 商品代(税込) | 送料 | 送料込み1食単価 |
|---|---|---|---|
| nosh 6食(関東) | 4,314円 | 1,166円 | 913円 |
| nosh 10食(関東) | 6,200円 | 1,386円 | 759円 |
| nosh 12食(関東) | 7,344円 | 1,386円 | 728円 |
| マッスルデリ LEAN 5食(定期通常) | 5,216円 | 1,100円 | 1,263円 |
| マッスルデリ LEAN 15食(定期通常) | 14,969円 | 1,320円 | 1,086円 |
| マッスルデリ LEAN 15食(12回継続割) | 12,852円 | 1,320円 | 945円 |
| マッスルデリ MAINTAIN 15食(12回継続割) | 14,386円 | 1,320円 | 1,047円 |
| マッスルデリ LOW CARB 15食(12回継続割) | 13,619円 | 1,320円 | 996円 |
並べると、まとめて頼むほど1食あたりは下がり、その下がり幅は送料の効き方で決まるのがわかります。noshは6食から10食にするだけで154円下がります。逆に5食だけ試すと、どのサービスでも送料の比重が大きくなって割高になります。「まず少しだけ試す」は金額としてはいちばん損な買い方だ、というのは知っておいて損はありません。
低カロリーで選ぶなら|低ければ低いほどよい、ではありません
1食のエネルギーが低すぎると、その分を弁当の外で食べて取り戻します。合計で足りているかが問題です。
表1で見ると、三ツ星ファームは1食350kcal以下、マッスルデリのLEANは350〜450kcalです。数字だけなら前者が「低カロリー」です。ただしこれはおかずだけか、主食を含むかでも変わります。主食が入っていない弁当にご飯を足せば、当然そのぶん増えます。
見るべきは1食の数字ではなく、置き換えたあとの1日の合計です。ここは後半のH2でもう一度扱います。
高たんぱくで選ぶなら|平均値ではなく「下限値」を見ます
「高たんぱく」とうたっていても、1食あたりの下限を数値で約束しているかどうかは別です。ここが分かれ目になります。
表1のとおり、たんぱく質の下限を数値で出しているのはマッスルデリ(プラン別に20〜50g以上)と三ツ星ファーム(15g以上)です。noshは糖質30g以下・塩分2.5g以下という基準を掲げていますが、たんぱく質の下限は掲げていません。筋肉食堂DELIはコースとメニューごとに個別表示で、メニューによって35gを超えるものもあります。
誤解のないように書いておくと、これは「たんぱく質の下限がないサービスはダイエットに向かない」という意味ではありません。先ほどのRock 2016では、高たんぱく版のほうが減量が大きいという結果は出ていません。たんぱく質の下限が効いてくるのは、あとで説明するとおり減らしながら筋肉量を保ちたい場合です。
糖質制限で選ぶなら|数値は「方針が決まっている人」の比較材料です
糖質15g以下と30g以下のどちらが減量に有利かは、この記事で扱う研究からは決められません。
公式表示を並べると、マッスルデリのLOW CARBが15g以下、三ツ星ファームが25g以下、noshが30g以下です。数字としては差がありますが、この差が体重の減り方の差になるかを比べた試験は、今回引いた10本の中にはありません。糖質制限をすでに自分の方針として選んでいる人が、条件に合うものを探すための材料、という位置づけで見てください。
たんぱく質の下限を数値で決めたい人向けの実データ
4プランの1食あたりのカロリー・たんぱく質・糖質・脂質と、送料を入れた実質単価、継続割の解約条件までを1ページにまとめています。数字を見てから決めたい方はこちらへ。
なぜこの3つで選ぶのか|いちばん近い試験から見ます
冷凍の調理済み弁当そのものを調べた試験は多くありません。いちばん近いのは1本で、そこから順に距離が離れていきます。
先に出したRock 2016(Obesity・183人・12週)が、この記事で唯一の直接の証拠です。昼食と夕食に分量が決められた冷凍の調理済みメインを配り、行動療法つきで自分で選ぶ群と比べています。結果は本文冒頭のとおり8.6%減対6.0%減、体脂肪は5.7kg対4.4kgでした。
ここから先に出てくる数字は、すべて「食事の一部を、規格化された食品に置き換える」やり方の研究です。粉末のシェイクやスープ、バーを使ったものが中心で、冷凍宅配弁当そのものを追ったものではありません。間接的な証拠として読んでください。この線は引いておかないと、話が実際より強くなります。
長期の数字は「置き換え食」の研究です|間接の証拠として読みます
1年でも4年でも、置き換えた群のほうが体重が減っていました。ただし差は年単位で1〜2kg台です。
いちばん規模が大きいのは23試験・7,884人をまとめたメタ解析です。1日800kcal未満の超低カロリー食と、全食置き換えは除外したうえで、1年時点の体重は置き換え食群のほうが1.44kg少なくなっていました(95%信頼区間 -2.48〜-0.39kg。Astbury, Obesity Reviews 2019)。同じ支援がついた食事療法どうしの比較では2.22kg、支援を強化した置き換え食では6.13kgと差が広がります。置き換えるかどうかより、支援がつくかどうかで差が大きく動いているのが読み取れます。
6試験をまとめた別の解析では、3か月時点で2.54kg、1年時点で2.43kgの差でした(Heymsfield, International Journal of Obesity 2003)。この解析で注目したいのは体重より脱落率で、1年時点の脱落は置き換え食群のほうが有意に少なくなっています。続けやすさそのものに効いている、と読める結果です。
もっと長い期間では、100人を4年追った研究があります。12週間の時点で対照群1.5%減に対し置き換え群7.8%減。その後は全員が1食+1間食の置き換えを続け、4年後は3.2%減対8.4%減でした(Flechtner-Mors, Obesity Research 2000)。ただしこの4年間は無作為化された比較ではなく、全員が同じ方法を続けた観察です。「4年後も差が保たれる」と読むのは行きすぎです。
効いているのは「食べ物」ではなく「献立が決まっていること」
食べ物を配った群と、献立表と買い物リストを渡しただけの群に、差はありませんでした。ここがこの記事の要点です。
まず、食事を配ると減量が増えることを示した試験があります。202人を無作為に割り付け、標準的な行動療法だけの群は6か月で7.7kg・18か月で4.1kg減だったのに対し、食事を配った群は10.1kg・6.4kg減でした(Jeffery, Journal of Consulting and Clinical Psychology 1993)。ここまでなら「配ってもらうといい」で終わります。
その3年後、同じ研究グループが「食事を配ることの何が効いているのか」を分解しました。過体重の女性163人を4群に分け、①行動療法のみ ②+献立表と買い物リスト ③+献立+食品提供(費用は自己負担) ④+献立+無料の食品提供、で比べています。
6か月時点で①は8.0kg減、②③④はそれぞれ12.0kg・11.7kg・11.4kg減。1年後も3.3kgに対し6.9kg・7.5kg・6.6kgでした。②③④の間に差はありません(Wing, International Journal of Obesity 1996)。食品そのものでも、それが無料であることでもなく、献立が決まっていることが効いていたという結論です。
つまり、献立を自分で固定できる人は買わなくていい
同じ効果は、1週間ぶんの献立を先に決めて買い物を済ませることでも作れます。お金はかかりません。
アフィリエイト広告を載せている記事でこう書くのは妙かもしれませんが、試験結果を素直に読むとそうなります。冷凍宅配弁当を買う理由があるとすれば、それは「特別な食品だから」ではなく、献立を決めて買い物をして調理する作業を、自分では続けられなかったからです。そこにお金を払う価値があるかどうかは、金額と手間の話になります。次のH2から、その3つの基準を順に見ます。
選び方①|置き換えたあとの、1日のエネルギーを管理できるか
弁当1食の数字ではなく、置き換えたあとの1日の合計が下がるかどうかで決まります。
ここまで見てきた試験に共通しているのは、置き換えによって1日の摂取エネルギーが下がったという前提です。冷凍であることや宅配であることは、この前提を作りやすくする手段にすぎません。だから最初に確認するのは、そのサービスがエネルギー量を数値で示しているかどうかになります。
表1でいうと、エネルギーの範囲や上限を公式に出しているのはマッスルデリと三ツ星ファームです。noshと筋肉食堂DELIは全体の基準としては出していません(個別メニューの表示はあります)。1食あたりの上限が決まっていないと、置き換えたあとの合計が読めません。
もうひとつ、主食が入っているかどうかを必ず見てください。おかずだけの弁当にご飯150g(約230kcal)を足すと、350kcalの弁当は580kcalになります。「低カロリーの弁当を選んだのに減らない」の多くはここです。
選び方②|送料込みで、やめたいときにやめられるか
続かなければ効果はゼロです。金額・契約・冷凍庫の3つが、続くかどうかを決めます。
金額は表2のとおりです。ここでは残り2つを見ます。まず契約条件を並べます。
| 確認すること | 公式表示(2026年8月12日時点) | 見落とすとどうなるか |
|---|---|---|
| 最低継続回数 | マッスルデリは定期通常なら縛りなし。6回・12回の継続割は6回1セット/noshは継続回数の制限なしと表示 | 安いプランを選んだつもりが、6回受け取るまで抜けられない |
| 途中でやめたときの費用 | マッスルデリの継続割は6回未満の解約で違約金=直近1回分(返金不可)/noshは解約金なしと表示 | 1回目で口に合わなくても、もう1回分の金額がかかる |
| 解約の締切 | マッスルデリは配達日の5日前まで。問い合わせフォームへの送信だけでは解約申請にならない | 締切を過ぎると次の1回は必ず届く |
| 自動更新 | マッスルデリの継続割は6回目の配送完了後、申し出がなければ同条件で次の6回が始まる | やめたつもりで7回目が届く |
| スキップの可否 | マッスルデリは確定済・発送済は不可。一度スキップすると次回配送完了まで再度スキップ不可 | 食べきれずに在庫が積み上がる |
表2で見たとおり、1食あたりを下げるにはまとめて頼むのが有利です。ところがまとめて頼むほど、途中でやめにくくなり、冷凍庫も圧迫します。この2つは正面からぶつかります。最初は割高でも少ない食数と縛りのない条件で試し、続きそうだと分かってから食数と継続割を上げる、という順番が無難です。
冷凍庫に入るか|15食で約20リットルぶんの箱が届きます
1食が縦20×横15×高さ4.5cmなら1.35リットル。15食で約20.3リットルの外形体積になります。
寸法を公式に出しているのは4社中マッスルデリだけでした。同社の1食のサイズは縦20×横15×高さ4.5cmで、単純に掛けると1食1.35リットル、15食で20.25リットルです。実際の冷凍庫は棚や引き出しで区切られているので、この数字がそのまま入るわけではありません。必要な容量ではなく、あくまで箱の外形の合計として見てください。
なお、X(旧Twitter)を見ると「冷凍庫に入りきらない」「スペースを空けるために他のものを処分した」といった投稿も確認できます。ただしSNSの投稿は利用者全体を代表するデータではないので、サービスの評価には使いません。あくまで「先に確認しておくと詰まらない点」として挙げています。一人暮らし向けの冷蔵庫だと冷凍室が20〜40リットル程度のことが多いので、15食まとめて頼むなら事前に測っておくほうが確実です。
選び方③|目的に合う栄養条件が、数値で示されているか
「高たんぱく」「低糖質」という言葉ではなく、下限や上限が数値で書かれているかを見ます。
たんぱく質は、減らしながら筋肉量を保ちたい人の参考値です
目安は体重1kgあたり1日1.2〜1.6g、1食25〜30g以上。ただしこれは減量効果の境界値ではありません。
この数値は、たんぱく質と体重管理の総説で示されているものです(Leidy, American Journal of Clinical Nutrition 2015)。同じ総説は、長期の試験で結果が分かれた最大の理由を「指示どおりに食べられたかどうか」だとしています。量そのものより、続いたかどうかで差がついたということです。
上限の目安もあります。49試験・1,863人をまとめた解析では、たんぱく質を補給すると除脂肪量が0.30kg増えましたが、1日あたり1.62g/kgを超えると、それ以上増やしても除脂肪量は増えませんでした(Morton, British Journal of Sports Medicine 2018)。体重60kgなら1日約97gが目安の上限です。
減らしながら運動する場面では、もう少し多い量を試した研究もあります。若い男性を各群20人ずつに分け、必要量から約40%減らした食事に週6日の筋力トレーニングと高強度インターバルを組み合わせた4週間の試験で、1日2.4g/kg群は除脂肪量が1.2kg増え脂肪が4.8kg減ったのに対し、1.2g/kg群は0.1kg増・3.5kg減でした(Longland, American Journal of Clinical Nutrition 2016)。ただし4週間・各群20人の概念実証の試験で、運動の負荷もかなり高い条件です。誰にでも当てはまる数字としては読めません。
まとめると、たんぱく質の下限が明記されていることは「筋肉量を保ちたい人にとっての選びやすさ」であって、「減量効果の保証」ではありません。この区別は表1を見るときに持っておいてください。
糖質・塩分は、方針が決まっている人の比較材料です
糖質量の違いが減量の差になるかは、この記事で引いた研究からは判断できません。
塩分については、noshが1食2.5g以下という基準を公表しています。健診で血圧を指摘されている人にとっては、たんぱく質より先に見る数字かもしれません。自分がどの数字を気にしているかで、見る列が変わるというのが表1の使い方です。
冷凍弁当に替えても痩せない理由
ほとんどが「弁当の外」で起きています。弁当そのものの問題であることは、あまりありません。
1食だけ置き換えて、残りの2食で取り戻している
置き換えが効くのは置き換えた分だけです。残りの食事が増えれば合計は変わりません。
先ほどの研究はどれも、1日1〜2食を置き換えたうえで1日全体のエネルギーを決めています。1食だけ替えて残りを自由に食べる形は、試験で調べられた条件とは違います。
「低糖質だから低カロリー」と考えている
糖質が低くても、脂質が多ければエネルギーは高くなります。別の数字です。
表1でも、糖質の基準を出しているサービスがエネルギーの基準を出しているとは限りません。糖質15g以下でも400kcalの弁当はありえます。減らしたいのが体重なら、まずエネルギーの列を見てください。
「高たんぱくだから自動的に痩せる」と考えている
高たんぱく食で満腹感が上がった研究はありますが、それは弁当の効果ではありません。
19人を対象に、糖質は据え置きでたんぱく質をエネルギー比15%から30%に上げた研究では、満腹感が上がり、自由に食べてよい12週間で1日441kcal摂取が減り、体重が4.9kg減りました(Weigle, American Journal of Clinical Nutrition 2005)。ただし19人の管理された条件下の数字で、市販の弁当に置き換えれば同じことが起きる、という意味ではありません。前に書いたとおり、冷凍弁当を配ったRock 2016では高たんぱく版が通常版を上回っていません。
週に何食を置き換えたか、数えていない
10食を1か月かけて食べたなら、置き換えたのは全体の1割です。効果もその割合に見合った分になります。
1日3食で1か月90食。そのうち10食なら11%です。減らないと感じたときは、まず分母を数えてください。買った食数ではなく、実際に置き換えた食数です。
よくある質問
Q. 冷凍宅配弁当だけで痩せますか。
A. 弁当だけで決まるものではありません。試験で体重が減ったのは、1日1〜2食を置き換えたうえで1日全体のエネルギーを決めた条件です。置き換えた分の外側が増えれば合計は変わりません。
Q. 1日何食を置き換えればいいですか。
A. 今回引いた研究の多くは1日1〜2食の置き換えです。1食から始めて、1日の合計が下がっているかを確かめてから増やすのが現実的です。
Q. 自炊と比べて高いですか。
A. 食材費だけを比べれば自炊のほうが安くなります。表2のとおり送料込みで1食700〜1,300円です。この差額で買っているのは食べ物ではなく、献立を決めて買い物をして調理する時間と手間だ、と考えると判断しやすくなります。
Q. どれを選べばいいですか。
A. 順位はつけていません。エネルギーの上限が決まっているものが欲しいならマッスルデリか三ツ星ファーム、1食あたりを抑えたいならnoshが安く、たんぱく質の下限を数値で決めたいならマッスルデリか筋肉食堂DELIのように個別表示があるもの、という見方になります。いずれも2026年8月12日時点の公式表示にもとづく整理です。
Q. 冷凍庫に入りますか。
A. 寸法を公表しているのはマッスルデリだけで、1食1.35リットル・15食で約20.3リットルの外形体積です。棚や引き出しの形で入る量は変わるので、まとめて頼む前に測っておくと確実です。
Q. 途中でやめられますか。
A. サービスと契約の種類で違います。マッスルデリは定期通常なら縛りがなく、継続割は6回1セットで6回未満の解約に違約金がかかります。noshは継続回数の制限も解約金もないと表示しています。申し込む前に表3の5項目を確認してください。
Q. やめたら戻りますか。
A. 置き換えをやめた後を追った良質な比較試験は多くありません。4年間続けた研究では続けた群で減少が保たれていましたが、これは全員が同じ方法を続けた観察です。「やめても戻らない」と言える根拠は、今回引いた範囲にはありません。
まとめ
冷凍宅配弁当は、食べる量を先に決めてしまうための道具です。痩せる食品ではありません。
試験で体重が減ったのは冷凍だからでも宅配だからでもなく、量が決まっていたからでした。しかも献立表と買い物リストを渡すだけで同じ結果になった試験がある以上、自分で献立を固定できる人はお金をかける必要がありません。
それが続かなかった人にとっては、買う価値のある道具です。選ぶときは①置き換えたあとの1日のエネルギーを管理できるか ②送料込みの金額と契約条件で続けられるか ③自分が気にしている栄養条件が数値で示されているかの3つで見てください。順位ではなく、この3つの列を見比べるのがいちばん早い方法です。
参考文献
- Rock CL, Flatt SW, Pakiz B, et al. Randomized clinical trial of portion-controlled prepackaged foods to promote weight loss. Obesity (Silver Spring). 2016;24(6):1230-1237. PubMed
- Astbury NM, Piernas C, Hartmann-Boyce J, et al. A systematic review and meta-analysis of the effectiveness of meal replacements for weight loss. Obes Rev. 2019;20(4):569-587. PubMed
- Heymsfield SB, van Mierlo CAJ, van der Knaap HCM, et al. Weight management using a meal replacement strategy. Int J Obes Relat Metab Disord. 2003;27(5):537-549. PubMed
- Flechtner-Mors M, Ditschuneit HH, Johnson TD, et al. Metabolic and weight loss effects of long-term dietary intervention in obese patients: four-year results. Obes Res. 2000;8(5):399-402. PubMed
- Wing RR, Jeffery RW, Burton LR, et al. Food provision vs structured meal plans in the behavioral treatment of obesity. Int J Obes Relat Metab Disord. 1996;20(1):56-62. PubMed
- Jeffery RW, Wing RR, Thorson C, et al. Strengthening behavioral interventions for weight loss: a randomized trial with food provision and monetary incentives. J Consult Clin Psychol. 1993;61(6):1038-1045. PubMed
- Leidy HJ, Clifton PM, Astrup A, et al. The role of protein in weight loss and maintenance. Am J Clin Nutr. 2015;101(6):1320S-1329S. PubMed
- Morton RW, Murphy KT, McKellar SR, et al. A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. Br J Sports Med. 2018;52(6):376-384. PubMed
- Longland TM, Oikawa SY, Mitchell CJ, et al. Higher compared with lower dietary protein during an energy deficit combined with intense exercise promotes greater lean mass gain and fat mass loss. Am J Clin Nutr. 2016;103(3):738-746. PubMed
- Weigle DS, Breen PA, Matthys CC, et al. A high-protein diet induces sustained reductions in appetite, ad libitum caloric intake, and body weight. Am J Clin Nutr. 2005;82(1):41-48. PubMed
各社の価格・栄養基準・契約条件は、2026年8月12日時点で公式サイトから取得した表示です。改定されることがあります。申し込む前に、必ず公式サイトで最新の表示を確認してください。
