体重は減ってるのに、体脂肪率が上がってる…脂肪が増えたってこと?
結論から書きます。その1回の数字だけでは、脂肪が増えたのかどうかは判定できません。
「体重が減って、体脂肪率が上がる」という同じ見え方には、①体の水分が抜けた ②測定の条件がそろっていなかった ③脂肪以外(除脂肪)が減ったという3つの別々の出来事が合流します。家庭用の体組成計に1回乗っただけでは、この3つを分けられません。
この記事を書いている私は臨床検査技師です。ダイエットの専門家ではありません。ただ「測った数字をどう読むか」は、18年やってきた仕事そのものです。検査室では、1点の数字が動いただけで異常だとは言いません。同じ条件で測り直して、時系列で見ます。体組成計もまったく同じ扱いでいいと思っています。
この記事でわかること
・体重が減って体脂肪率が上がる、その割り算のからくり
・自分の数字がどのパターンかを切り分ける4つの見方
・家庭用体組成計の誤差が、研究ではどれくらいと報告されているか
・測る前にやってはいけないこと(飲水・入浴・運動・食事)
・条件をそろえた測り方と、1週間ぶんで見るという考え方
・このまま続けていいのか、止めるべきサインはどこか
先に言っておきます。この記事に「体脂肪率は何%を目指すべき」という話は書きません。いま必要なのは目標値ではなく、目の前の数字の読み方だからです。
結論|1回の数字だけでは、脂肪が増えたのかどうかは判定できない
まず全体像を置きます。
「脂肪は増えていません、安心してください」と書ければ楽なのですが、それは言えません。実際に脂肪が増えている可能性を、1回の数字で否定することはできないからです。できるのは、切り分けの手順を決めることだけです。
体脂肪率は割り算|分母が減れば数字は上がる
体脂肪率は「脂肪量 ÷ 体重」です。割り算なので、分子(脂肪量)が変わらなくても、分母(体重)だけが小さくなれば数字は上がります。
そして体重は脂肪だけでできていません。水分、筋肉、内臓、骨、消化管の中身。脂肪以外をまとめて除脂肪量と呼びます。減ったのが除脂肪側だけだと、体脂肪率は上がります。
説明用の仮想例|同じ1.5kg減でも、中身で0.5ポイント動く
数字にすると分かりやすいので、計算だけの例を置きます。実在の誰かのデータではなく、算数の説明のために作った仮想の数字です。
| 状態 | 体重 | 脂肪量 | 除脂肪量 | 体脂肪率 |
|---|---|---|---|---|
| 減量前 | 70.0kg | 17.5kg | 52.5kg | 25.0% |
| 除脂肪だけ1.5kg減った | 68.5kg | 17.5kg | 51.0kg | 25.5% |
| 脂肪だけ1.5kg減った | 68.5kg | 16.0kg | 52.5kg | 23.4% |
同じ1.5kg減なのに、片方は0.5ポイント上がり、もう片方は1.6ポイント下がります。体重計に出た「1.5kg減」だけでは、どちらが起きたのか分かりません。
※現実には、脂肪と除脂肪は同時に減ります。上の表は「片方だけが減ったら」という極端な設定にして、割り算の向きだけを見せたものです。
まず切り分ける|あなたの数字はどのパターンか
ここが実際の作業です。次の表で、自分がどこにいるかを先に決めてください。
| きっかけ・期間 | 体重の動き | 考えられること | やること | |
|---|---|---|---|---|
| ① | 糖質を減らして数日〜2週間以内 | 最初に大きく落ちた | 水分の移動が混ざっている | 条件をそろえて測り直し、数日〜1週間の流れで見る |
| ② | 期間は関係なし。測る時刻や状況がばらばら | 日によって上下する | 測定条件によるぶれ | 測る条件を固定する(表4・表5) |
| ③ | 1か月以上、条件をそろえて測っている | 体重も体脂肪率も動かない | 停滞。摂取量が戻っている可能性 | 食事の記録を1週間つけ直す |
| ④ | 1か月以上、条件をそろえて測っている | 体重は減り続け、体脂肪率も上がり続ける | 除脂肪が減っている可能性 | 減らす速さを落とす/たんぱく質と筋トレ(H2-8) |
①糖質を減らして数日以内
いちばん多いのがこれです。減量を始めた直後、とくに糖質を減らした直後は体重が大きく落ちます。この時期の体重変化には水分の移動がかなり混ざります(次のH2で書きます)。分母だけが縮んだ形になりやすく、体脂肪率が上がって見えることがあります。
②測定の条件がそろっていない
昨日は夜、今日は朝。昨日は風呂上がり、今日は起きてすぐ。これだと体の変化ではなく、測り方の違いを見ていることになります。心当たりがあるなら、まずここを直してからでないと先に進めません。
③1か月以上、体重も体脂肪率も動かない
条件をそろえて1か月測っても両方動かないなら、測定の話ではありません。摂取量が知らないうちに戻っていることが多いです。カロリー計算そのものの限界についてはカロリー制限では痩せない理由に書いています。
④体重が減り続けて、体脂肪率も上がり続ける
条件をそろえたうえで、1か月以上この形が続いているなら、除脂肪が減っている可能性を考えます。ここだけは打ち手が違うので、記事の後半で分けて書きました。
水はグリコーゲンと一緒に動く
糖質は体の中にグリコーゲンという形で貯められています。ここで大事なのは、グリコーゲンは乾いた状態で置かれているわけではないということです。
1992年に American Journal of Clinical Nutrition に載った総説(Kreitzman ら)では、グリコーゲンは重量あたり3〜4倍の水を伴い、カリウム0.45mmol/gと一緒に貯蔵されるとされています。論文の題名そのものが「グリコーゲンの貯蔵:安易な減量という錯覚、過剰な体重の戻り、そして体組成推定のゆがみ」です。体組成の数字がゆがむ話は、30年以上前から書かれているということになります。
つまり糖質を減らすと、グリコーゲンと一緒に水も動きます。体重計の数字は下がりますが、減ったのは脂肪ではなく、脂肪以外(除脂肪)の側です。表1でいう2行目の形に近づきます。
※これは総説(研究をまとめた論説)であって、人数のある試験の結果ではありません。「糖質を◯g減らせば◯kgの水が抜ける」という計算まではできません。グリコーゲンの量も、抜け方も、人と条件でまるで違うからです。ここでは「向き」だけを持ち帰ってください。
この時期の体調の変化(だるさ・頭痛・便通など)は糖質制限の初期症状に、糖質量そのものの決め方は糖質一日何グラムまでに分けて書いています。この記事では「なぜ体組成計の数字が動くのか」だけを扱います。
家庭用体組成計はどこまで信じられるのか
ここからは機械の話です。壊れているのではないか、と疑っている人向けに書きます。
精度と再現性は別のもの(検査室の考え方)
検査の世界では、この2つを分けて考えます。
・正確さ=本当の値にどれだけ近いか
・再現性=同じ条件で測ったとき、同じ値が返ってくるか
家庭用の体組成計に望めるのは、基本的に後者を整えることです。「同じ機械で測る」というのは、正確さを保証する行為ではありません。比べる条件をそろえて、再現性を上げるための工夫です。ここを取り違えると、あとの話が全部ずれます。
絶対値はずれる|15機種を並べて測った研究
2023年の British Journal of Nutrition(Siedler ら)は、15台のBIA機器を同じ73人に対して使い、基準となる4成分モデルと比べました。
結果は、体脂肪率の系統的なずれが −3.5〜+11.7%、推定の標準誤差が3.1〜7.5%、一致度の指標(Lin’s CCC)は0.48〜0.94。機種によって、ずれの向きも大きさもばらばらでした。
なので「体組成計は◯%ずれる」という一律の数字は出せません。あなたの機種がどれだけずれているかは、この研究からは分かりません。
変化量のほうが誤差は小さかった|ただし全機種ではない
同じ研究では、37人について「変化量」も調べています。絶対値ではなく、前と後の差です。
こちらの系統的なずれは −0.4〜+1.3%。絶対値のときよりずっと小さく、15台のうち約6割が基準法と統計的に同等でした。著者は「八極式と一部の両足式は、経時的な追跡には使える可能性がある」と書いています。
※ここを「家庭用でも推移なら正確」と読まないでください。変化量の誤差が小さかった機器が多かった、というだけです。すべての機器で変化量が正確だったわけではありませんし、あなたの機種がその6割に入っているかどうかは分かりません。
減量中の推定は、精度が落ちる
もうひとつ、今のあなたに関係の深い研究があります。
2013年の PLoS One(Li ら)は、中国人の過体重・肥満の成人189人(男性73人・女性116人)を6か月の減量プログラムに参加させ、BIAとDXA(基準となる測定法)を突き合わせました。結果は、開始時点でBIAのほうが体脂肪率を低く見積もり、減量が終わったあとはその差が縮まったというものです。
著者の結論は、「肥満の人の開始時点と、減量介入中の変化量の推定は、精度が落ちる」。つまりダイエット中というのは、BIAがいちばん当てにならない場面のひとつだということです。
※この研究の対象は中国人189人で、使った機種も決まっています。「日本の家庭用体組成計は◯ポイント低く出る」と読み替えることはできません。ここから持ち帰れるのは「BIAの誤差は一定ではなく、体格や減量の前後で変わりうる」という事実だけです。
ジムのInBodyや体成分測定と、混ぜて比べない
「ジムで測ったら家より7ポイント高かった」という話はよく見かけます。当たり前です。機種が違えば推定式も電極の位置も違うので、数字がそろわないほうが自然です。
・ジムの測定と家の測定を同じグラフに乗せない
・比べるならジムはジム、家は家で、それぞれの推移を見る
・体成分測定やDXAは全員に必要なものではありません。減量の経過を見るだけなら、家の1台を条件をそろえて使うほうが現実的です
検査を受けるかどうかの考え方そのものは、腸内フローラ検査で痩せるのかで似た話を書いています。
測る前にやってはいけないこと
検査でいう「前処理条件」を、体重計にも当てはめる
血液検査では、採る前の条件がそろっていないと比べられません。食事をしたか、いつ採ったか、どんな姿勢だったか。これを前処理条件と呼びます。検査値がおかしいとき、私たちがまず疑うのは機械ではなく、ここです。
体組成計もまったく同じです。測る前の条件をそろえて、はじめて前回と比べられるようになります。
飲水で推定値が動いた研究と、動かなかった研究
ここは面白いところで、報告が割れています。
動いたほう。2020年の Libyan Journal of Medicine(Ugras)は、140人を対象に、両足式のBIAで測定したあと500mLずつ4回水を飲ませ、そのつど15分後に測り直しました。結果は体脂肪量の推定値が飲むほど過大になり、2000mLの時点で男性は約7.9%、女性は約9.4%の過大評価(いずれもp<0.05)。逆に体の水分量と除脂肪量は過小評価されました。
※ここは誤読が起きやすいので念を押します。この「7.9%」は体脂肪”量”の推定値が相対的にどれだけ大きく出たかという数字です。体脂肪率が7.9ポイント上がった、という意味ではありません。
動かなかったほう。2023年の Metabolites(Schierbauer ら)は、18人を対象にした無作為化クロスオーバー試験で、体重あたり12mL(およそ830mL)を飲ませました。こちらは体脂肪率の変動が1%未満で、何も飲まなかった条件でも0.7%は揺れていました。著者は「測定法の誤差の範囲内かもしれない」と書いています。
| 研究 | 対象 | 条件 | 結果 |
|---|---|---|---|
| Siedler ら(2023) | 73人/機器15台 | 4成分モデルと比較 | 体脂肪率の系統的なずれ −3.5〜+11.7%。変化量では −0.4〜+1.3% |
| Li ら(2013) | 中国人189人 | 6か月の減量プログラム・DXAと比較 | 開始時点と減量中の変化量で精度が落ちた |
| Ugras(2020) | 140人 | 両足式・500mL×4回の飲水 | 体脂肪量の推定値が最大で約7.9〜9.4%過大に |
| Schierbauer ら(2023) | 18人 | 約830mLの飲水・クロスオーバー | 体脂肪率の変動は1%未満 |
この2つは、どちらかが間違っているという話ではありません。機器の種類も、飲んだ量も、測るまでの時間も、見ている指標も違うからです。言えるのは、「急に水を飲むとBIAの推定値が変わるという報告があり、その変化量は条件によってかなり違う」ということ。
そしてこの食い違いこそが、1回の数字で原因を決めてはいけない理由そのものです。
入浴後・運動後・食後・飲酒の翌日
飲水以外にも、条件が変わる場面はあります。
| 測る前の状況 | 何が変わるか | どうするか |
|---|---|---|
| 水やお茶を飲んだ直後 | 体の水分量と分布 | 飲む前に測る |
| 食事の直後 | 消化管の中身のぶん体重が増える | 食前に測る |
| 入浴・シャワーの直後 | 皮膚の状態と体表の水分、体温 | 入浴前に測る |
| 運動の直後 | 発汗と、筋肉側への血流の偏り | 運動前に測る |
| 飲酒した翌朝 | 水分の出入りが普段と変わる | その日の値は参考程度にする |
| 夕方・夜 | 立ち座りで下半身に水分がたまる | 毎回同じ時間帯にそろえる |
| 靴下・ストッキングのまま | 電流が正しく流れない | 素足・乾いた足で乗る |
月経周期だけで、一律に説明はできない
「生理前だから体脂肪率が上がった」という説明はよく見ます。ただ、BIAで測った体脂肪量・除脂肪量が周期を通して有意に変わったという結果は、複数の研究で出ていません(American Journal of Human Biology 1997、European Journal of Sport Science 2025 ほか)。
これは「あなたのむくみの実感が間違っている」という意味ではありません。体重が増えた感じ、指輪がきつい感じ、体が重い感じ。それは実際に起きていることです。ただし集団の平均として、周期がBIAの数字を一律に動かすとは言えていない、というだけです。
実務的には、周期を理由にして数字を無視するのも、周期のせいだと決めつけるのも、どちらもやめるのがいいと思います。条件をそろえて測り続けていれば、周期ぶんの揺れも含めて流れが見えてきます。
明日からの測り方|条件をそろえて、1週間ぶんで見る
ここまでを、明日の朝からできる形にまとめます。
| やること | 理由 | |
|---|---|---|
| 1 | 起きてすぐ、トイレを済ませてから測る | 寝ている間に体の水分がならされ、条件が毎日そろいやすい |
| 2 | 飲む前・食べる前・風呂の前・運動の前 | 表4の要因を全部避けられる |
| 3 | 素足で、足裏が乾いた状態で乗る | 電流の通り方が変わらないようにする |
| 4 | 同じ場所(硬く水平な床)に置く | カーペットや畳の上だと体重そのものがぶれる |
| 5 | 同じ1台だけを使う | 正確さの保証ではなく、比べる条件をそろえるため |
| 6 | 1日の値で判断せず、1週間ぶんをまとめて見る | 1点の上下ではなく、向きを見るため |
6番について補足します。「1週間」という区切りに医学的な根拠があるわけではありません。日々の揺れをならして向きを見るための、実務的なやり方です。7日でも10日でもかまいません。大事なのは1点で決めないことのほうです。
検査室では、1点だけ外れた値が出ても「工程がおかしくなった」とは判断しません。測り直し、前後の並びを見て、それでも同じ向きが続くときに初めて動きます。体組成計も同じ扱いでいいと思っています。
それと、体組成計の数字だけを見ないでください。ウエスト、ベルトの穴、服の入り方。これらは推定式を通していないぶん、素直です。血液検査の数値がいつ動くかについてはダイエットで血液検査の数値はいつ動くに分けて書きました。
このまま続けていいのか|止めるサインだけ先に決めておく
いちばん聞かれるのはここだと思います。答えを先に書きます。
体重が減っていて、体調に問題がないなら、体脂肪率が1回上がったことを理由に食事をさらに削る必要はありません。むしろ、そこで削るのがいちばんまずい打ち手です。
数字にショックを受けて食事をさらに切ると、減らす速さが上がります。速く落とすほど除脂肪は減りやすくなるので、「体脂肪率が上がった → もっと切る → もっと上がる」という、いちばん望まない方向へ進みます。
そのうえで、止める・見直すサインだけは先に決めておくと楽になります。
・条件をそろえて測って、1か月以上、体重が減り続けながら体脂肪率も上がり続ける
・髪・爪・肌の変化、寒気、立ちくらみ、生理が止まるなど体の側のサインが出た
・疲れが抜けない、力が出ない状態が続く
・食事のことばかり考えてしまう、体重を測るのが怖い
→ どれかに当てはまるなら、減らす速さを落としてください。体の側のサインが出ているときは、自己判断で続けずに医療機関で相談を。
本当に除脂肪が落ちているときにやること
表2の④に当てはまった場合の話です。やることは3つで、順番があります。
①減らす速さを落とす → ②たんぱく質を先に確保する → ③筋トレを足す
減量では脂肪だけが減るということはなく、除脂肪も一緒に減ります。よく「体重減の25%が除脂肪」と言われますが、この25%という数字を万人に当てはめる根拠は強くありません。2015年の Diabetes, Obesity and Metabolism(Dixon ら)は、過体重・肥満の成人275人のデータからこの割合を推定し直し、「25%ルールは不適切」と書いています。
※この研究は体重が安定している集団からの横断的な推定で、減量の前後を追いかけた試験ではありません。「減量すると体重減の◯%が除脂肪になる」と読み替えることはできません。ここで持ち帰るのは「決まった比率はない」という一点だけです。
比率が決まっていない、ということはこちら側でいくらか動かせるということでもあります。実際、超低エネルギー食による減量に運動を足した無作為化試験を集めた解析(5研究・計241人/2025年)では、運動を併せた側のほうが除脂肪の残り方がよく、差は平均0.83kg(95%信頼区間 0.17〜1.49)でした。
※5研究とかなり少なく、しかも「超低エネルギー食」という極端な条件での話です。「運動すれば筋肉を0.83kg守れる」という一般的な数字ではありません。方向として「運動を併せたほうがよさそうだ」と受け取ってください。
たんぱく質と筋トレの具体的な入れ方は、皮下脂肪の落とし方|男の腹を減らす食事・筋トレの順番に書いています。順番の考え方は男女で変わりません。
よくある質問
Q. 体重が減って体脂肪率が上がったら、脂肪は増えたのですか?
A. 1回の数字では判定できません。水分が抜けた、測定条件がずれた、除脂肪が減った、のどれでも同じ見え方になります。条件をそろえて測り直し、数日〜1週間の流れで見てください。
Q. 体重は減っています。このまま続けていいですか?
A. 体調に問題がなければ、体脂肪率が1回上がったことを理由に食事をさらに削る必要はありません。そこで削ると減らす速さが上がり、除脂肪が減りやすくなります。条件をそろえて1か月見て、それでも同じ向きが続くときに減らす速さを落としてください。
Q. 家の体組成計とジムのInBody、どちらの数字を信じればいいですか?
A. どちらが正しいかを決める必要はありません。機種が違えば推定式も電極の位置も違うので、数字がそろわないのが普通です。混ぜて1本のグラフにせず、それぞれの中で推移を見てください。
Q. 体脂肪率はいつ測るのが再現しやすいですか?
A. 起きてすぐ、トイレを済ませたあと、飲む前・食べる前・風呂の前・運動の前です。素足で、硬く水平な床に置いた同じ1台に乗ってください。「正確に測れる時刻」ではなく「毎日そろえやすい時刻」を選ぶ、という考え方です。
Q. 体組成計を買い替えたほうがいいですか?
A. 値が飛ぶだけなら、まず電池、置き場所(硬く水平か)、足裏の乾き、乗る位置を確認してください。買い替えると、それまで積み上げた推移が前後で切れます。機種を変える価値があるとすれば「毎日測る気になるかどうか」で、数字が正確になるからではありません。
Q. 生理前は体脂肪率が上がりますか?
A. BIAで測った体脂肪量・除脂肪量が周期を通して有意に変わったという結果は、複数の研究で出ていません。ただし体が重い・むくむという実感を否定するものではありません。周期だけを理由に数字を説明するのも無視するのも避けて、条件をそろえて測り続けるのがいちばん確実です。
まとめ
この記事でいちばん言いたかったのは、「1点で決めない」ということです。
・体脂肪率は脂肪量÷体重。分母が縮むだけでも数字は上がる
・「体重減+体脂肪率上昇」には水分・測定誤差・除脂肪低下の3つが合流する。1回では区別できない
・15機種を並べた研究では体脂肪率の系統的なずれが−3.5〜+11.7%。「◯%ずれる」という共通値は存在しない
・変化量のほうが誤差は小さかったが、それは「推移なら正確」という意味ではない
・減量中はBIAの精度が落ちると報告されている。いまがまさにその場面
・飲水で推定値が動いた報告と動かなかった報告がある。だから測る前の条件をそろえる
・見るのは1日の値ではなく1週間ぶんの向き。ウエストも併せて見る
・数字が上がったことを理由に、食事をさらに削らない
体組成計の数字は、体そのものではありません。電気の流れにくさから推定した、あくまで推定値です。推定値を疑うのは正しい態度で、あなたの機械が壊れているわけでも、あなたの努力が無駄だったわけでもありません。条件をそろえて、しばらく並べてみてください。
参考文献
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